2021年10月2日

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

ただスカッとしたくて、007の新作を見に劇場に。IMAXのシアターはさすがに音がよく響き渡る。

15年間にわたってボンドを努めたダニエル・クレイグの007最終作だ。『カジノ・ロワイヤル』で彼がボンドとして登場してきたときはどうなるんだろうと思ったが(2002年の『ロード・トゥ・パーディション』で演じた、いささか情けないイメージがあったから)、ボンドの役を重ねることで役者も観客もその世界を共有することになるもんだね。

こうした映画はただ楽しめばいいので、余計な講評はしたくない。 ただ本作品の途中、ロンドンにあるのQのフラットのキッチンで彼が料理をしているとき、彼が日本の酒屋の前掛けをしているのが気になった。ほんの一瞬だったけど、そこに「酒」って漢字が見えた。

今回の悪役を演じるラミ・マレックのアジトには、なぜか畳が敷いてある。後ろには枯山水。で、正座して座っている。能面ぽいマスクが意味深長な小道具として登場する。

何でだろうと思ってたら、この作品の監督はキャリー・フジオカという名の日系人だった。だからかな、ボンドが自死を選ぶ最後のシーンに日本的な滅びの美学を感じた。

上映時間2時間44分は、007シリーズで最長。 ☆☆☆☆