朝夕やっと涼やかになり、秋の訪れを感じるようになった。
2025-10-06
今日は中秋の名月
2025-09-27
モグリを追い出し、ますます管理が進む大学に未来は作れるか
新学期が始まるのに際して大学の事務所から「授業実施に向けたご案内」と称する文書が送られて来た(実際のところは、パスワード保護された大学サイトのページだが)。
その中に聴講禁止の項目があった。曰く「大学全体のルールとして、履修登録をせずに授業に参加すること(聴講)は禁止されております」。
これまでも聴講の学生を認めちゃダメよと言われてきたが、それはビジネススクールというちょっと他の学部や研究科と違う性格があるからだと思っていたが、大学全体のルールだったとはね。
自分が大学生の頃はニセ学生なんてのは珍しくなかった。自身も友人に誘われ、他学部や他大学の授業にモグリで参加したことも多々あった。
同様に他の大学の学生が早稲田の授業にモグリで参加していたのだから、行ったり来たりでまったく自由なものだった。
それが、いつからか大学全体のルールとして禁止されていたとはーー。その理由は何だろう。そうした学生が教室に存在することで授業の妨げになるのなら別だが、一般的にモグリで授業に参加している学生は一般の学生以上に真剣に取り組んでいるので、むしろ歓迎のはずだと思うのだけど。
推測するに、教師側の理由ではなく(もしそうであれば、それらの学生を教室から追い出せばいいだけ)、正規の履修学生が大学側に苦情を言ったからじゃないかという気がする。
「自分たちは授業料を払っているのに、非正規の学生はそれを払っていないのは不公平だ」とか何とか。
それに対して大学当局が反応して、個々の実状などにお構いなしにモグリ(聴講)を不可にした、というのが実際の話のような気がする。
だけど、もしそうだったらどうなんだろう・・・。大学は本来のところ、もっと大らかでいい加減でいいんじゃないのか。
知りたい、学びたい、議論したいという学生が方々から集まり、同じ時間を共有することで刺激が生まれ、互いに影響を与えながら新たな知と関係が生まれてくるというものだ。
いろんな類の学生が教室にいた方が、絶対にオモシロイ。新しい発想を生む活力は、本当はそうしたところからしか生まれないんだけどね。
知の創造の場として日本の大学が弱体化している一要因だ。
2025-09-26
相変わらずひとを馬鹿にしたMicrosoftのやり方に怒る
Skype(Microsoft)から「クレジットは7日後に無効になります」とのメールが届く。例によって返信不可のメールで。
![]() |
クレジット残高をアクティブにする方法が記されているので、一応それを行おうとすると「Skypeは廃止されました」というメッセージが出て意味をなさない。
お手上げである。大した金額ではないが、金額の大小の問題ではないと思う。
一方的にそれまで提供していたサービスを廃止し、そのサービスを利用するためのクレジット、つまりデポジットをそのまま吸い上げるという、マイクロソフトらしい利用者を見下した乱暴でけしからん態度。
自社の都合でサービスを廃止するのだから、事前に受け取っていた金額は顧客が何を言わなくても一旦返却するのが筋だろう。それをかすめ取ってまで利益を上げたいのか、マイクロソフトという企業は。
世の中では、これを詐欺と呼ぶ。
私はスカイプをこれまで13年間使ってきた。その利用者に対し、よくこのようなやり方がとれるものだ。
2025-09-21
2025-09-19
企業がやりたいこと、顧客がやらされたくないこと
中国地方のある地を訪ねることになったのだが、そこは地方ゆえ現地の交通機関がままならない。そこで、移動のための足としてレンタルバイクの店が駅前にあるのを知り、予約することにした。
サイトで日にちと利用時間を入れて予約しようとすると、クレジット・カード情報の入力を求められた。料金全額先払いらしい。気が進まなかったが、そのとおりカード情報を送ったら、支払い完了と予約完了のメールが届いた。
翌日、その会社からメールが来て、指定のサイト上から運転免許証の画像を送付せよと言ってきた。事前にその手続きをしない場合は、レンタルバイクの利用ができないと書いてある。
そうした条件を設けているのであれば、客に利用代金を支払わせる前にそのことを案内すべき。
免許証の画像情報を、信頼に足らない企業に渡すのも気が引けるので放っておいたら、同様の内容のメールがまた来た。またしてもnoreply@XXXXXのメールアドレスから送られてきている。
記されているURLを試しにクリックすると、今度はいきなり会員登録のページが現れた! まず、名前などの個人情報を記入させて自社サービスの「会員」にしたいらしい。こっちは現地でその日に数時間レンタルで使うだけなのだが。
こうした顧客対応の手法は、まったく的外れであると思う。こんな不愉快なやり方で客に会員登録させたって、その企業に対しての満足感もロイヤルティも感じるわけがない。むしろ逆なのは明らか。
電話番号を調べ、免許証の事前送付に関して問い合わせたら、システム上そうなっているので仕方ないと言う。が、そのシステムとやらを導入したのは、お前たちだろうと。
不安感は払拭できるはずがなく、その企業にPマーク認証は取得しているのか問うたら、「何ですか、それは?」と訊かれてしまった。
この会社だけの特殊な例ではない。近年は、顧客の個人情報管理も含めてこの手の野放図なビジネスが横行している。
顧客の気持ちをまったく無視した、不出来な顧客管理システムを作っているIT屋がいるのだろうが、結局、何も価値を創造していない。そうしたシステム会社も、そのシステムを採用する会社もお粗末すぎる。
2025-09-14
高畑勲と手考足思
麻布台ヒルズギャラリーで開催されている「高畑勲展」では、彼が60年近く携わってきたアニメーションを中心とする、ほぼすべての作品についての軌跡を見ることができる。
作品の完成に至る途中の圧倒的な数のスケッチ、コンテ、アイデアメモなどだが、とりわけなかでも印象に残っているのは、映画「火垂るの墓」の脚本作成のための高畑のノートだ。
野坂昭如の原作本を全文コピーしたものを数セット用意し、場面、時間、人物にマーキングしたうえで時系列ごとに分けてノートに切り貼りしている。そして、その余白には彼が映画で描こうとしている各シーンの状況説明や台詞、カメラワークなどが書き込まれている。
野坂の原作にはなかった「死んだ兄妹が物語を見つめている」という映画での二重構造は、高畑がこのノートを作りながら構想していくなかから生まれた。
「手考足思」という河井寛次郎の言葉があるが、高畑の仕事はまさにそうだ。作品を作るに際しては画で考え、文字で考えるのはもちろん、可能な限りその舞台となる地を内外を問わず訪ねて、その地の歴史や人物に関することなどを渉猟することで企画書をまとめていった。
高畑のこのノートを見ることができただけでも、出かけた甲斐がある。「ものをつくるということ」を、あらためて考えさせられた。
2025-09-10
議事録は誰が何のために作成するか
大学3年の時、学生の身分のままある企業の正社員になった。それから20年間にわたって日英米の複数の企業に勤め、その後フリーランスのコンサルタントなどをやった後に学界に移り25年が過ぎようとしている。
大学という世界にすっかり慣れているはずだが、今だに面食らうことがある。その一つが会議の議事録だ。
新型コロナ以来、すべての会議はリモートで行われている。事前に議題と基礎資料が送付され、それにそってZOOMで行われるので対面でやっていた以前よりずっと会議の進行が早くなった。
会議内容は事務局によって全部収録がなされているので、本来であれば議事録などあっという間に作成できるはずなのだが、実際はそうではない。
場合によっては会議からひと月近くたって議事録のドラフトが送られてきたりする。
しかも、そこに記載された内容はこれ以上ないほど削られた、ほとんど議題一覧と変わらぬような代物である。まるで空腹の猫にしゃぶり尽くされた魚の骨のようだ。
ほんとうは何も記さない白紙文書をして「議事録」にしたいと思っているのだろうと思ってしまう。明文化した記録を残したくない考えが底にある。
半年ほど前から仕事で、文字起こしを自動でやってくれるボイスレコーダーを使っている。会話を文字に起こしてくれるだけでなく、AIが録音データから議事録も作成してくれる。その精度は、気になったところをちょちょっと手直しすれば問題ないくらいの高レベルだ。
あるとき、AIによる議事録作成についての話になった。そこにいた人たちの共通の認識として、会社に入って初めの頃はみんな会議での発言など期待されることなどなく、ただひたすら会議室の後ろの方で記録を取らされていたとーー。
そして、会議が終わってからが仕事の本番。どれだけ早く、そして正確に会議の議事録をまとめあげられるか上司から求められた。
そうやって下積み仕事として議事録作りをすることで、結果として自分たちの仕事の具体的な内容、仕事全体の進め方、参加者それぞれの立場や考え方など多くのことを学び、身につけていったという点で僕たちの意見は一致した。
生成AIが登場してきたことで、そうした若いときならではの貴重なトレーニングを積む機会がなくなったことを考えると、今の若い連中は可哀相だと思う。
2025-09-08
3年ぶりの皆既月食
2025-09-01
AIを使うか、AIとともに働くか、AIに働かされるか
経済産業省が発表した試算によると、今から15年後の2040年に「AIなどの活用を担う」人材が498万人必要となり、そのうち326万人が不足するらしい。
だが、その498万人という具体的な数字の内訳は分からない。この場合、分からないというのは、いくら調べても出てこないってこと。それこそ生成AIに徹底的に探索させたが見つからない。つまりは、経産省が元々それについて発表していないのだ。
中味を発表せずに、そうした数字だけを示す意味があるのかどうか首を傾げる。塊としての498万人という数字は、産業連関表などを用いて産業構造の今後の変化を予測して編み出したものらしい。
15年後に産業構造がどう変化しているかを過去のデータをもとにどこまで推定できるかだ。それこそ今から15年前に、生成AIの登場と社会への浸透が急速に進む現在の姿を予測した人がいたか。いやしないよな。
頼るものが他にないのかもしれないが、役人が産業連関表で未来の社会を予測して政策を立案するのはもう止めにした方がいい。もっともらしく聞こえるだけで、当たりはしないのだから。そんなこと、自分たちも分かっているはずなのに続けている。
「AIを活用できる」人の育成が急務だとの考えは文科省も同様に指摘しているようだが、ここでもAIを活用するとは何なのかははっきりしない。またしても役人がよく分かってないのだ。
思い出すのは、いまから30年前。ウィンドウズ95が発売され、爆発的に売れた。そしてパソコンのブームが到来した頃のこと。当時はパソコンを使える、具体的にはワープロソフトで文書作成ができるとか、スプレッドシートで計算ができるといったことが、ビジネスマンの特殊技能として通用した。
いま、あなたはどんなスキルがあるかと聞かれて、パソコンが使えますと言ってもお話にならないが、当時はそれが通用した。現在、そのパソコンに当たるのがAIなんだろう。
パソコンができる、が技能として認められていた時期は間もなく過ぎ去り、それはただのツールでしかないことを社会が理解していった。
今の時代のAIは30年前のパソコンと同じと考えた方がよいように思う。肝心なことはそれを活用できるかどうかといったテクニカルなことではなく、どれだけオリジナルな発想をアウトプットできるかどうかなのである。
何をやろうかという意思と評価はつねに人間側にあるべきもの。どうやるかは、やりたければAIの助けを借りてやればいいだけの話だ。
話を戻すと、2040年、「AI活用人材」が国内で300万人不足するなどありえないと考えている。情報処理全般は、そのころには間違いなく意思決定も含めてAIがまかなっているはず。ここで言う情報処理全般とは、仕事そのものである。
最後まで人の手に残されるのは、包丁やハサミ、メスを扱う仕事、つまり調理、理容、外科手術といったものだ。それとスポーツ競技と芸術活動(の一部)、建設現場、そして第一次産業である。
まもなくAIは、エージェントとして自律的に考えて仕事をするようになる。それらを指揮するのは一部の人間と、そのアシスタントとなるマスターAIエージェントだ。
そう考えれば300万人が不足するどころか、数百万人の労働者が仕事をなくしていくことになる。
AIを使うか、AIとともに働くか、AIに働かされるか、いずれかの選択を迫られる時代に私たちはまもなく向かう。
私がいる大学の現場も、AIとロボットであらかた事足りるようになるのだろうな。
2025-08-28
企業の本音は利用規約に表れる
新幹線予約の際に用いている「エクスプレス予約」「スマートEX」のサービスを変更するというメールがそれぞれ届いた。日常的に利用している関係上、メールに一応目を通す。
これまで使えたカード(EX-ICカード)を使えなくするというだけでなく、改札の際に自動改札機から発行されていた「利用票(座席の案内)」の発行をやめるといったことが記されていた。
前者はプラスチックカードの発行を今後中止するということ、後者は機器からの印字して発行してた6x8センチほどの紙(カード)をなくすことでのコストカットである。
実に発想がセコイ。利用者の利便性などお構いなしである。それらのメールは例によって「本メールは送信専用アドレスからの送信のため、そのまま返信されないようお願いいたします」だ。
残念ながら新幹線はそれしかないので、こちらが否が応でもそれに合わせて適応するしかない。念のために現在のそれら2つの登録がどうなっているか確認しようとしたら、サイトにまず「会員規約等の変更」画面が出た。
で、そこに記された3つの文書、会員規約、特約、同意条項を<読んだ>として <同意>しないとログインができない仕掛けにしてある。
試しに、そのなかの一つの規約とやらを生成AIに読ませて内容確認をやらせてみた。各条項についての利用者側のリスクと注意事項が表示される。以下は、そのまとめの部分。
例えばネットの通信上のトラブルがあっても何があっても責任はすべて「利用者」、規約等に変更が加えられてもJR東海はそれを自社HPに載せるだけでOK、など徹底的に一方的な契約内容。
サイトではそうした規約や同意事項に「同意」しない限り、利用者が自分の登録内容すら見ることができないようにしてある。
まともな競争に晒されているまともな企業なら、ここまではやらない。そうしたところに、この企業の黒い裏の顔が見えている。
2025-08-25
ネットは嘘の世界だから
勝手なところから勝手なメールが日々送られてくる。
そのなかでも不愉快なのが、「このメールは送信専用アドレスからお送りしています。ご返信いただいても回答はできませんので、あらかじめご了承ください。」 なんて文末で言いながら、自分たちの言いたいこと(セールス・メッセージ)だけ書き連ねているメールだ。
そうしたメールが増えていっているように感じる。実に不愉快な世の中。すべて迷惑メールに放り込んでいる。
それと同時に、なんでんもかんでも「会員登録」を求め、その際に氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、職業等々を「*必須事項」として記入させるサイトがあまた増えているのも気に入らない。何のためにそれらに回答させるのか分からないし、説明もない。
顧客の個人情報を集めておけば、そのうち何か自分たちの役に立つかもしれないと考えている。あるいは、売れば金になるとでも考えているのだろうが、そうした企業は頭が悪くて厭になる。
正直に「申告」する人も中にはいるのだろうが、多くはそうじゃない。ぼくはそういう時は自分のプロフィールについてはデタラメしか書かないし、友人たちに聞いてもばか正直に書く人は一人もいなかった。これが現実。
ならば、そうしたつまらないことさっさと止めればいいのに、と思う。あまりに浅薄な連中が絶えない。それがネットの世界。
2025-08-23
サービス・デザインの研究会
サービス・デザインについての研究会を大学で開催した。
某大手金融機関の関連総研でリサーチをしてるI君からの問題提起のプレゼンテーションと、最近ある金融機関の窓口でとんでもない経験をしたというSさんの報告をもとに、現状と課題について議論が進んだ。
ひとつのフォーカスは、日本の金融機関におけるAI/ロボットの導入と活用だったのだが、米国などの他国の状況に比べてあまりにも日本の状況が立ち後れていることをあらためて確認した。
立ち後れの理由は、日本の大手金融機関の経営者の頭の古さと金融庁の指導の的外れさにあるようだ。そしてどちらも、一朝一夕にはこの地では改善される見込みはない。
ということは、世界の主だった諸国に後塵を拝するのは必至で、いつものようにギリギリになって「このままじゃイカン」と足を前にやっと踏み出すようになるのだろう。
2025-08-16
渋滞高速道路上の快感ホルモン
年末年始とお盆の時期の毎年変わらぬ高速道路風景がこれである。
休みを取って移動する時期をその前でも後でも一週間ずらせば、写真の左側<下り>のようにスイスイ行けること間違いないのに・・・。
人間(日本人)の習慣の粘着性はすごいなと感心するとともに、不思議でならない。
こうした渋滞や混雑によって生じるストレスが、人に快感を感じさせる脳内ホルモンを発生させているに違いない。たぶんね。
2025-08-14
市長の実績が意味するもの
郵便受けに今月初旬に行われた横浜市長選の投票開票の結果数値を記したチラシが入っていた。
裏面には当選した現市長の「実績」というのが書いてあり、曰わく、
・小児医療費の無償化
・待機児童ゼロ
・中学校全員給食の実施
・学童保育での昼食提供
どれも子どもたちの成長を支援する策で、結構なことではある。が、これが市長の実績かと言われると、大いに疑問がある。
どれも金を使えば実現できるばかり。これらの政策を実現するために必要な資金を市長が追加的にどこかから生み出したなら市長の実績と言っても構わないが、だがそうではなく、予算の使い道を変えただけなら、その実績は市長のそれではなくわれわれ納税者のものということにならないか。
これでは市民としてどっちらけだ。他人の褌みたいなことを実績として標榜するなどせず、もっと力を果たせよと言いたい。
2025-08-06
その後の新幹線の喫煙ルームは何に使うのか?
新幹線は昨年の3月、他の交通機関に遅れること10年?くらいか、やっと完全禁煙になった。
ところが新幹線の車両には、不思議なことに今も「喫煙室」が備えられている。
訪日外国人旅行者がこの数年で格段に増加し、新幹線のなかで大型のスーツケースの置き場所に困っている乗客をいつも目にする。他国に比べて日本の高速鉄道(新幹線)には、荷物用のスペースが圧倒的に足らないのである。
「喫煙室」は、写真のような貼り紙をした上で鍵がかけられ開けられなくしているが、みんなが困っているのだからその部屋を荷物置き場として乗客に開放すればいいのに。
そんなことを考えていたら、車掌がたまたま通りかかったので、なぜ喫煙室を乗客の荷物置き場として利用させないのか問うたが、納得いく答えが返ってこない。
サービス業として顧客の利便性をもっと考えた方がいい、海外からの旅行者を中心に多くの乗客が困っているのだとこちらが話はじめたら、「ちょっと用事がありますので・・・」と言って逃げてしまった。
2025-08-05
「利用規約」は生成AIにチェックさせよう
金融機関のサイトはなおさらで、各種規約を読んで「読みました」というチェックを付けないと先に一歩も進めない。消費者保護の観点もあるのだろうが、やり方は明らかに現実離れしている。
先日、ある情報サイトを利用するに際して相手から提示された「利用規約」を、自分で読むのは億劫なので生成AIに読ませ、注意点を指摘するように言った。すると、こんなコメントが出てきた。
ーーーーー
✅ 注意が必要な条項とポイント
1. 利用規約の一方的変更(第3条)
• リスク:🌑🌑🌑は利用者の事前承諾なく、いつでも規約を変更可能です。
• 注意点:不利益な変更については告知義務がありますが、利用を継続することで自動的に同意したとみなされる点は留意が必要です。
2. 会員登録の取消・強制退会(第5条・第8条)
• リスク:🌑🌑🌑が「不適切」と判断した場合、会員登録を拒否・抹消可能です。
• 特に強い条文:理由の詳細を通知する義務がなく、損害に対する責任も負わないと明記。
3. 免責条項の強さ(第16条)
• リスク:🌑🌑🌑の責任は「故意または重過失がある場合」かつ「直接かつ通常の損害」に限られ、逸失利益・機会損失は対象外です。
• 実質的な意味:ほとんどのケースで損害補償を受けるのは困難。
4. クレジットカードに関する責任(第22条4項)
• リスク:クレジットカードのトラブルは「カード会社との間で解決」とされ、🌑🌑🌑は一切関与しないと明記。
• 注意点:不正利用・二重請求などが発生した場合も、🌑🌑🌑は対応しない可能性あり。
5. 返品・交換の条件が限定的(第24条)
• リスク:
o 外装や広告物の破損では返品不可
o 申請期間は到着から8日以内
• 注意点:商品本体に明確な欠陥がある場合以外、返品が認められない可能性が高い。
6. 会員ID・パスワードの利用責任(第10条)
• リスク:IDやパスワードが第三者に不正利用されても、利用者側の責任となる。
• 実質的影響:盗用されても自己責任になるため、管理を厳重に。
7. サービスの終了・変更に関する免責(第14条・第15条)
• リスク:サービスが予告なく終了・変更されても損害補償なし。
• 影響例:講座やデジタル商品などが予告なしに停止される可能性。
✅ 総合コメント
この利用規約は、🌑🌑🌑側に広範な裁量権・免責権限が与えられており、利用者側の保護がやや弱い構成になっています。一般的なEC規約と同様の範囲内ではあるものの、
• 返品条件の限定
• 会員抹消・強制退会の広範な裁量
• 免責条項の強さ
などにおいて、ユーザーは特に慎重になるべきです。
ーーーーー
とても参考になる。自分で無味乾燥な利用規約など読むのはご免だが、これなら読まずとも注意すべきポイントを知ることができる。
それにしても、他の「利用規約」もいくつか生成AIにチェックさせたのだが、ほとんどはこの通り、自分たちの利益を最大化するとともに責任範囲を最小化したものばかりだった。
知らぬは利用者ばかり、である。
2025-08-03
上條恒彦さん
人の心をふるわせる声というものがあり、僕にとってのそうした声の持ち主の一人が先日なくなった上條恒彦さんだった。
彼は歌手からスタートし、舞台の役者やテレビの俳優としても活躍した。スタジオジブリの劇場用アニメなどで声優もつとめていた。
初めて聴いた彼の歌は『出発(たびだち)の歌』(1971年)で、だがそのレコード(17センチのドーナツ盤)はどこかにやってしまったらしく探してみたけど見つからない。
『木枯し紋次郎』の主題歌『だれかが風の中で』(1972年)が見つかり、ひさしぶりにレコードプレーヤーに載せてみた。この歌唱もスバらしい。
上條の歌唱はもちろんのこと、和田夏十が書いた歌詞もまたいい。あの時代の空気の一つを見事にすくい取っている。
2025-07-31
KDDIによる契約改ざん
3日前、KDDIから電話があった。それは、前回「確認してご連絡します」と彼らが言ってから10日が過ぎてのこと。
https://tatsukimura.blogspot.com/2025/07/blog-post_18.html
契約している料金プランが、知らぬ間に勝手に変更されていたことへの説明のための電話だ。
結論から言えば、そこでKDDIは契約内容(料金プラン)を自分たちが勝手に変更したことを認めた。
そもそも今回のやり取りは、料金プランそのままで携帯電話を新たにKDDIで買い換えたことからだった。ところが、その契約を締結したのちにKDDIの社内都合で現行の料金プランを継続できないことが判明したと言う。
そのため、請求内容の内訳の数字を操作し、トータルの金額を以前と同じに調整することで発覚することを隠蔽していた。
本来は契約者に対して契約内容変更の許可を得る必要があるはず。にもかかわらずKDDIはダマテンでやり、それを認めている。
違法ですよ、とのこちらの指摘を受けて、本日KDDIから「ご契約内容のご案内」なる文書が郵送されてきた。
そこには当初の(本来の)契約内容が書かれていた。今回、辻褄を合わせるために修正したものを送ってきたのだ。ただし、「お客様にご契約いただきました内容についてご案内いたしますので、内容のご確認をお願い致します」とだけ書かれ、自分たちの契約改ざんに対する釈明も謝罪の一言もない。
しかも、「ご契約の内容」を明記した文書の受付日は、バックデイトの日付が印字されていた。自分たちがやったマズイことは活字にはせず、しれっと覆い隠してなかったことにする手口である。
通信会社のやり口ってのは、そもそもこんなもんなのかね。あきれた遵法精神の企業である。今回たまたまバレただけで、どこも似たようなインチキをやっていると思った方がよい。
契約担当の社員ですら、自社の料金プランが複雑すぎてどうなっているのかキャッチアップできていないという面もありそうだ。
2025-07-30
「現役」とは、「人生」とは
日経新聞の社会面に「生涯現役『人生2倍楽しむ』」の大きな文字が躍る。
![]() |
2025年7月28日、31面 |
記事には、市役所の職員を定年退職後に弁護士の資格を取得し、現在は法律事務所に所属して相続問題を主に手がけている男性が取り上げられている。
セカンド・キャリアのひとつの例として紹介されているわけで、役所関連の何とか協会なんてのに天下り再就職するのでなく、自らの意思で獲得した新しい職に打ち込むその人の姿はすばらしいと思う。
一方、この記事から「現役」とは何か、また、この場合の「人生」とは何かということを考えさせられてしまった。
この記事を書いた人は、社会の中で職に就いている人たちだけが「現役」であり、そうした職に従事することが「人生」だと考えているように思う。
だが世の中には病気のため、あるいは重い障害を抱えているためにずっと職に就かず、または就けないまま過ごしている人たちもたくさんいる。ヤングケアラーと呼ばれる、家族の介護のために仕事に就けないでいる人たちもいることだろう。
さらには専業主婦(主夫)たちもまた、この記事の視点からは「現役」からはずれたものとみなされ、一生「人生を楽しむ」状況とは無縁の存在と定義される。
こうした記事が掲載された根底には、「現役」というのは組織で働くなど、社会との関わりのなかで生産活動に従事することだとする固定観念が横たわっている。
病床にある人たちも、障害が理由で職に就けない人たちも、また専業主婦らもそれぞれの意味で「現役」であり、各人の「人生」は確実にあるはずなのに。
そうした当たり前の視点を忘れている。
2025-07-26
グーグルによるセンサーシップ
先月、このブログの記事の多くがグーグル社によってそのインデックス登録をはずされたと書いた。
グーグル社から「バツ」を付けられたわけだが、彼らによるそうした「検閲」を確かめる目的で今回ブログサイトへ広告を掲載する設定にしてみた。
結果は想像したとおりで、広告掲載は不可だと言ってきた。
![]() |
(クリックで拡大) |
どのような審査だったのかは不明。相変わらずまったくのブラックボックスである。
おそらく、グーグルについての批判的コメントをいくつも掲載してあることが原因だろうと思っている。
というのは、以前、彼らからブログ上に広告を掲載するように推奨され、実際にネット広告を掲載していたことがあるから。
だけどその時は、広告収入といっても大した金額ではないし、またどんな種類の広告が掲載されるかコントロールできるわけではないので、ブログへの広告掲載はまもなく止めてしまった。
そうしたいきさつからも、今回の審査結果に対して僕は彼らに邪悪なものを感じる。
グーグルはそのポリシーを以下のように定めている(ChatGPTによるまとめ)。これらはすべて常識的なものばかり。このブログの記事をブロックする理由は一つも見当たらない。
主なGoogleポリシーと違反例
1. Google 広告(旧AdWords)関連ポリシーの違反
1-1 禁止されている商品・サービスの広告(例:偽造品、違法薬物)
1-2 誤解を招く広告(例:虚偽の主張、不実表示)
1-3 不正な広告行動(例:自動クリック、複数アカウントでの回避)
2. YouTubeのコミュニティガイドライン違反
2-1 ヘイトスピーチや暴力的コンテンツの投稿
2-2 著作権侵害(例:無断転載)
2-3 スパムや詐欺的コンテンツの拡散
2-4 子どもの安全に関わる違反行為
3. Google 検索に関するポリシー違反(検索スパム)
3-1 キーワードの乱用(キーワードスタッフィング)
3-2 クローキング(ユーザーと検索エンジンに異なる内容を表示)
3-3 被リンクの不正操作(有料リンクやリンク交換など)
4. Google Play 開発者ポリシー違反
4-1 マルウェアを含むアプリの配信
4-2 ユーザーデータの不正な収集・送信
4-3 無断で課金する仕組み
5. Googleアカウントの不正使用
5-1 なりすましや偽名での登録
5-2 不正アクセスの試み
5-3 スパムメールの大量送信
ネットの世界ですべてを自分の手でコントロールできると思っているグーグルは、自分たちを「神の座」に座っている存在と考えているのだろう。