祇園祭の先祭、山鉾巡行が街の中心部で行われた。
毎年7月に行われている京都の代表的な恒例行事だが、今年は37度という猛暑の中で鉾や山を引く人はさぞ大変だったに違いない。
とりわけ、鉾の屋根の上で真木(しんぎ)にかけられた綱を引っ張っている2人はさぞ大変に違いない。
朝9時頃に四条通りを出発し、午後1時頃にまた四条通りに戻ってくる。その間4時間ほど。もし交替せずに役目を務めているとしたら命がけだ。
| 京都の市中を廻り、四条通りに戻ってきた長刀鉾 |
八坂神社の東、円山公園には約800本の染井吉野や山桜などが咲き揃う。
が、そのなかでも円山公園の中央、10メートル以上の樹高を持つ1本の祇園枝垂桜(ぎおんしだれざくら)はひときわ見事である。今がまさに満開。
夜にはライトアップで薄紅色を闇に浮かべる姿は息を呑むような空間をつくりだし、周囲に焚かれたかがり火と合わせて夢幻の世界へと訪れた者をいざなっている。
昨年日本で公開された「アンゼルム 傷ついた世界の芸術家」は、戦後ドイツを代表する芸術家であるアンゼルム・キーファーを主人公とした、ヴィム・ヴェンダース監督によるドキュメンタリー映画だった。
1945年、第二次大戦のさなか、実家が爆撃された日に生まれたという。今年80歳になるこの芸術家を僕はその映画を観るまで知らなかった。
この映画で一番印象に残っているのは、パリの郊外にあるという彼のアトリエ。まるでジャンボ・ジェット機の格納庫を思わせるような巨大な空間におびただしい数の作品が収納されいて、キーファーがそのなかを自転車で悠然と動き回るシーンがおもしろかった。
ヴィム・ヴェンダースが製作した映画ということもあり、以降、キーファーにも興味を持っていたところ、京都の二条城で彼の展覧会が開催されていることを知った。
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| 二条城の空間に不思議とマッチしている |
だが、それ以外の作品はといえば、個々のものはそれぞれ興味深かったのだけど、残念ながら展示作品の点数が限られていて、その少ない点数を「二条城」という別の作品で補っている展覧会という感じだ。
ところで今回、展示を見るために二条城のかつて台所だった建物の中に靴を脱いで上がるのだ、展示作品を見ていた連れが会場スタッフに声を掛けられた。
ストッキングと裸足はダメで、スリッパを履いてくれという。チケットを購入したホームページの注意事項にはそうした文言はなかったと返したら、先ほどチケット窓口でそう伝えてあるはずだと。
チケット窓口に並んだのは僕だから、ストッキングのことなんか言われても当然ながら知った事じゃない。右から左だ。
これは、建物のなかでは帽子を取ってくれ、というような事とは違う。ストッキングがダメなら靴下を履いてくるように事前にサイトで注意を促しておくべきだが、そうしたことがなされてなかった。
結局、建物からいったん外に出て、別に設えられた売店でスリッパを買わされることになった。
これはやり方が間違っている。万が一、ストッキングの女性に対してスリッパを履くことを求めるのであれば運営側が用意したものをそこで差し出すべきである。主催者の極めてお粗末な運営をうかがわせた。
展覧会のあとは、キーファーの作品からふと連想した銀閣寺を訪ねた。断続的に雨が降り続いていたがそのためか思ったほど人はおらず、広い境内のなかをゆっくり回ることができたのが良かった。
| 雨に濡れた緑のなかの観音殿(銀閣) |