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2012年10月22日

カンダハール

昨日、カナダのモントランブランからNYに帰ってきた。戻ってからも頭の片隅に引っかかっていることがいくつかあるのだけど、その一つが「カンダハール」だ。

今回、旅先に持って行った一冊が藤原新也の『空から恥が降る』だ。その中に、カンダハールの話が出てくる。そこは、彼が若いとき訪れた、まだソ連から蹂躙される前のアフガニスタンの南の都である。

そこで彼は、病み上がりの上に空腹で弱っていたところを地元の農民に助けられ、その際、スイカのように大きなメロンを切り分けたものでもてなされた。そのことで文字通り生き返ったように元気になった彼は、その時のことをこう回顧している。

「長い人生の中のたった数十分の出来事だった。しかしその一瞬の邂逅は私の身体の記憶に深く刻み込まれた」

彼が9/11以降も一貫してアフガニスタン側に立ちコメントを述べてきたのは、この経験があったからだろう。

その日、そんな話を読み終えた後、モントランブランの村を歩いていると、ある一帯の家の住居表示がすべてKandaharなのに気付いた。そう、そこはカンダハールという地区なのだ。もちろん偶然なのだが。



2012年10月21日

モントリオールのゾンビ

バスで一昨日と同じルートを逆にたどり、モントリオールへ戻って来た。

車中で、年配の日本人夫婦と出会った。モントランブランに一週間滞在していたそうだ。これからモントリオールへ戻り、その後トロントまで鉄道で移動した後、カナダ中央部のウィニペグへ飛行機で飛び、そこからは2泊3日の鉄道の旅を楽しみながらバンクーバーへ向かい、そこから日本に戻るとのこと。約1ヵ月の旅だと話していた。

2年前にご主人が仕事をリタイアして、それから計画を練っていたという。無事楽しい旅を続けられるよう言葉を交わし、モントリオールのバスターミナルで分かれた。日本にもこうした活動的でいい感じの年配のカップルが増えるといい。

外国で見かける日本人観光客というと、どういうわけだか中年女性の団体が多い。どのおばさんも同じような身なり格好をして、固まって歩いているので目立ち、すぐ分かる。最近は中国人のグループも多い。

南米のペルーで出会った日本人は、30代のカップルが多かった。ペルーは、中年のおばさんグループにはとっては「ロマンチック」じゃない場所なんだろう。

モントリオールに到着してから、僕はニューヨークへのフライトまでまだ時間があるので街の中をぶらつくことにした。途中で見かけた理髪店で髪を切ってもらった後(ずいぶん短く切られた)、アートセンター近くの公園で何やら騒がしい気配がするのでそちらの方へ向かう。

Montreal Zombie Walk という催しで、ゾンビのメークをした連中があちこちをうろついている。彼らは一般のゾンビファン(?)なのか、それとも役者が依頼されて演じているのか。何を狙った企画なのか確認せずじまいだったので趣旨はよく分からない。


まだ学生っぽいカップル。結構なりきっていた。
こちらもカップルで参加。どこで特殊メイクしたんだろう。
迫力満点のジェイソン。

アメリカン航空の飛行機は、左手にマンハッタン島を見下ろしながらロングアイルランド方面へ侵入していく。そこからゆっくりと左旋回した後、ジョン・F・ケネディ空港に到着した。着陸寸前、機体が何度か左右に大きく揺れた。左右どちらかの主翼の先端が滑走路にぶつかったのではないかと思ったが、なんとか無事着陸した。通路を挟んだ他の客と思わず顔を見合わせる。

ここからクイーンズのジャマイカ駅まで、いつものようにエア・トレインに5ドル払って乗車。カボチャを持った3人の男女(男2人、女1人)が乗っていた。僕と男の間の席に置かれたカボチャがあまりにも見事なので、それは作り物かと聞いたら、本物だと言う。他の2人が持っているカボチャも本物で、カボチャはスペイン産に限るなどと嬉しそうに話す。

ジャマイカ駅で6ドル25セント払ってロングアイルランド鉄道のチケットを買い、マンハッタンまで。そのホームでさっきのカボチャ・トリオとまた一緒になったので、Take care of your pumpkins!と乗り込む際に声をかける。

ところで、日本のカボチャはパンプキンとは種が異なる。こちらではそれをsquashという。飲み物かスポーツみないな名前だ。 

ペン・ステーションで地下鉄に乗り換え、アッパーウエストサイドのアパートに到着。建物に入ると、エントランスにハロウィーンの新しいディスプレイが。カボチャのお化けだ。



2012年10月20日

Oh My Deer

天気予報によると、モントランブラン地域は雨だとか。朝食をとりながら、さて今日一日どうしようかと考える。

空を見上げると曇ってはいるけど、すぐには降らないし、降っても大雨にはならないのが分かる。しかし、山頂(トレンブラン山)までのケーブルカーは営業していない。風が強かったり、天候不順の時には運行しないと表示してあるが、今日はなぜ運行しないのだろう。もうシーズンが終わってしまってるのか。

しかたないので、トレッキングルートを歩くことにした。山の中は落葉に埋もれてルートが分かりづらくなっているので、ルートから逸れないように慎重に進む。

聞こえるのは耳元で鳴る風の音、こずえがそよぐ音、枯葉が足下を舞う音だけ。4時間ほど山道を歩いて麓の村に戻ってきたが、その間誰とも会うことはなかった。最高の思索の時間である。途中で出会ったのは、野生の鹿だけだった。



2012年10月19日

紅葉を探してカナダへ

2週間ほど前、僕が大学を出て最初に就職した会社の先輩から、栂池高原と八方尾根の紅葉の写真が送られてきた。今年の紅葉が最高潮の時期に訪れたらしい。日本の秋をどうぞ、という心遣いである。目にも鮮やな日本の風景だった。

それに触発された訳ではないが、近場でどこか紅葉がきれいなところ考えたあげく、カナダのモントランブラン(Mont-Tremblant)を訪ねることに。

今日、ニューヨークからカナダにやって来た。本当は先週あたりの予定だったのだが、大学の用事で一週間ほど遅らせた旅になった。

到着したモントリオール空港の入国審査場は、がらんとしていた。窓口も2つ開いているだけだ(先々週の月曜日は米国がコロンバス・デーで祝日だったため、その週末はずいぶん大勢の米国人が訪れたらしい)。

窓口の担当官から「目的は?」と問われ、短く「観光」と答える。彼女が入国記録のハンコをどこに押そうかパスポートをめくっている間、「これからモントランブランに行くんだけど、もう紅葉は終わりだっていう話も聞いていて・・・」と言うと、彼女はパスポートを僕に返しながらこう言った。「モントランブランに行くのね。とてもいいところよ。そうね、山の上の方はもう散ってしまってるんじゃないかしら」。

一瞬、僕の顔が曇ったのを見て取ったのか、彼女はこう続けた。「紅葉は散ってしまってるかもしれないけど、その分たくさんモミジが下に積もっている。私は落葉の匂いが好きなの。だから、その上を散歩するのが大好き」。日本の入国管理官で、海外からの旅行者にこんな気の利いた対応ができる人がいるか。頭の良さような20代後半のメガネ美人である。

モントリオールの空港から市内へ。そこからは、目的地のモントランブランまでバスだ。ローカル線のバスで、いろいろ回り道をしながら進む。地元の人たちが途中で次々降りていき、やがて乗客は僕だけに。そして約3時間半、最終地で下車した。

2012年10月18日

フランスからのアクセス

このブログへのアクセスは、日本からが一番多い(日本語で書いているから当然だろうね)。次に米国。その後は日によるのだけど、ある日はロシア(なんで?)、ウクライナ(どうして?)、香港、台湾、豪州、英国、ドイツといった順番だったのが、フランスに関することを書いたら、一気にそこからのアクセスが増えた。フランス人も最近では日本語を解するのか?

2012年6月22日

ピンクのわた菓子

普段、フランス料理は食べないようにしている。理由はいくつかあるのだが、それはここでは書かない。

しかし、先日の出張中のこと、モントリオールに来たからにはさすがと思わせるフレンチも悪くないかと思い出かけてみた。実は、同じアパートの住人であるY澤さん夫婦からお勧めの店を教えてもらっていて、ニューヨークを出発する前にレストランを予約していたのだ。お二人は同じ医大に勤務するお医者さん同士で、モントリオールにはやはり学会で昨冬訪れたとか。

そこはモダン・フレンチの店で、ひと皿ひと皿の料理に趣向が凝らされているとともに、ウエイター、ウエイトレスもよくトレーニングされていて、程よいホスピタリティーを感じさせるものだった。

この歳になると、食事の際にやはりカロリーを考えてしまう。そこで食後はデザートはやめておこうと思いコーヒーだけを注文したのだが、ギャルソンが「当店にいらしたからには、スイーツをお召し上がりにならないままお帰しするわけにはいきません」と言って、いくつかの甘いものをテーブルに運んできた。その一つが、コットン・キャンディー。むかし懐かしい綿菓子である。


このピンクの綿菓子、今店頭に並んでいるNew York誌の表紙でエマ・ストーンがほおばっていた。


2012年6月18日

モン・ロワイヤル公園

マギル大学のすぐ横の坂を上り、小高い丘になっているモン・ロワイヤル公園(Parc du Mont-Royal)に行ってみた。

展望台からモントリオールの市街地を望む



なんだか感じがNYのセントラルパークに似てるなと思ったら、設計が同じ造園建築家の手によるものと知り納得。

2012年6月17日

ノートルダム大聖堂(モントリオール)

モントリオール市の旧市街地のほぼ真ん中にノートルダーム大聖堂がある。ブルーのライティングとゴールドの装飾が独特の雰囲気を醸し出している。週末だったので、パイプオルガンの演奏が流れていた。


2012年6月16日

McGill大学の博物館

今朝、学会のためにモントリオールにやって来た。ニューヨークからはほんの1時間半ほどのフライト。羽田から札幌へ飛ぶくらいの感覚である。

宿泊したホテルの裏手にマギル大学があった。昨年、創立190年を迎えた伝統ある大学である。構内にRedpath Museumという博物館がある。北野天満宮のお守りや倉敷阿智神社の絵馬が展示してあったのは何故だろう。


街のレストランやカフェで、マギル大学の学生・大学院生だというウエイトレスに何人かあった。夏休みになったので、アルバイトに精を出しているのだろう。モントリオールの飲食店では、テーブルの担当になった彼女たちは、客(現地の人以外)にまずフランス語と英語のどちらでコミュニケートしたいか尋ねるてくる。

あるカフェで、冗談で日本語か中国語であなたと話せないかと(英語で)返答したところ、「中国語ならほんのちょっぴりならできるわ」と返ってきた。香港大学に7ヵ月間留学していたときに覚えたという。国際法を専攻している大学院生で、修士課程を終えたら国連機関で働きたいと言うので、「モントリオールの人たちは英語と仏語のバイリンガルだから得だね。頑張って」と言ったら、言葉についてはスペイン語とイタリア語もできるとのこと。それと少しの中国語。