2018年8月20日

不審なクレジット会社

最近、マーケティング情報について企業の人たちと話をしていると、さまざまなところでそのユーザーデータが他社へ流用されているのを耳にするクレディ・セゾンという会社がある。つまり、会員情報を方々に売っているのだろう。

今年5月中旬、そこから未払いだという請求書が送られてきた。そこには請求金額が7,000円、残高が7,047円と印字されている。覚えがない。放っておいたら、翌月また請求書が来た。今度は請求金額が7,000円で残高が7,011円。37円減少している。なぜだろう?

手紙で問い合わせをした。カード使用ということなのだろうから、いつ使用したものか、どこ(店の名)で使用したものか、何を買ったものかについて書面で回答するように連絡するように伝えた。

そうしたら文書が送られてきた。何も回答がない代わりに、そこには何度も「電話しろ」と書いてある。わざわざアンダーラインで強調している。


知り合いの弁護士に話したら変だねと首をかしげた。内容を文書にできないから、あるいはしたくないために電話するように執拗に言ってるのではないかと。あるいはデータがなくて返答できないからではないかと言う。

その後、またクレディ・セゾンから請求書が送られてきた。今度は請求額6,676円、残高が6,686円と印字されている。以前より数字が小さくなっている。理由はまたもや不明。

請求書と残高の差は何なのか、なぜ残高と請求額が違うのか、弁護士も首をひねる。請求額を引いて、10円だけ残高をわざわざ残す理由も意味不明であると。

クレディ・セゾンの社長に先の問い合わせに答えてくれるよう手紙を出した。別に社長が知り合いとかいったことではない。担当箇所が、自分たちの都合が悪いことをうやむやにするのを避けるためである。

返事が来た。使ったとされるカードは何ヶ月も前に解約したカードだ。「内容につきましては、ご利用店にお問い合わせ下さい」とあるが、関係がないところなので問い合わせのしようがない。請求額と残高の差額は「手数料、お支払い期日までの遅延損害金」と返答してきたが、請求書上の請求額の内訳欄の「利息/手数料」「遅延損害金」はどちらもゼロになっている。計算も合わず、理解不能だ。

日本人は現金を使用する割合が、他の国と比べて依然として高い。2020年の五輪を控えて、観光促進を目的にもっとクレジットカードや電子マネーを使うように国を挙げてキャンペーンが始まっている。

それはそれで結構だが、こうしたとんでもないクレジットカード会社が存在していることに十分を注意を向ける必要がある。

弁護士に言われて CIC(Credit Information Center)という信用情報機関に自分の信用情報がどのように登録されているか照会したら、案の定、クレディセゾンが僕の信用度をそこに「ブラック」として登録していた。やってくれるじゃないの。

2018年8月15日

ドローンの可能性は多彩だ

先日、番組名は忘れてしまったがNHK-BSで日本の北アルプスをドローンによって上空から眺めていくという番組を見た。実に雄大で清々しい映像に魅了された。
人が歩きながらでは絶対に見ることができないいくつもの風景とアングル。深く切れ入った谷間の奥底の様子や伸びやかな稜線の流れなども、ドローンのカメラで自在に見ることができる。
また、その落差300メートルにも及ぶ巨大な瀑布をその滝口から滝壺まで、まるで水の飛沫をあびるかのように近接した距離で下っていくような映像すら見ることができた。これまでに我々が見ることができなかった全く新しい経験である。
これまでも空撮という撮影手法はあった。それらはたいていヘリからのものだ。以前ある外資系企業でブランドマネージャーをしていた時、テレビコマーシャルの仕事でニューヨークの摩天楼の夜を撮影するということがあった。
撮影していたCMの中で、夜景をバックに上空からブルックリン・ブリッジにぐっと寄っていき、そのまま橋の下をくぐり、抜けたところでマンハッタンの摩天楼を見下ろしながら一気に空に向けて上昇するシーンがあった。
きわどいシーンであり、今思えばよく撮影許可が出たなと思うが、さすがニューヨークは映画の都である。撮影クルーを乗せたヘリを操縦したのは、かつてベトナム戦争で攻撃用ヘリの操縦桿を握っていた元アメリカ空軍の名うてのパイロット。おかげで非常にダイナミックでかつスリリングな映像を撮ることができた。
だが今は、そうした大がかりな事をする必要はない。リモコンでドローンを飛ばせばいいのだ。
さてそのNHKの番組であるが、撮影隊が使っていたのは中国DJI社のファントムというドローンである。おそらく今ドローンの世界で最もポピュラーかつ先進的なマシンがこのDJI製ということになる。
日本製はいったいどうしたんだろう。モーターやセンサー技術、制御技術、精密加工技術といったものは日本にも充分あるはず。そうした優れた要素技術がありながら、製品としてのドローンを世界に向けて発売できなかった理由の一つは、開発者がそうしたものを作っても実際に飛ばして実験を繰り返すことができなかったからではないだろうか。
日本の規制(航空法)がそうしたことを認めていない。コンピュータで設計したものも最終的には実際に繰り返し飛ばして初めて気がつくことが多々あるに違いない。そうした現場から得た知見をどんどん取り入れてフィードバックしていくことで製品の完成度が高まっていく。
中国はそのあたり、日本に比べると遥かに開放的というか斬新的な手法で開発を進めていくことができる。なんせ土地が広い、そして役所さえOKと言えばどこでだって実証実験はできる(はず)。この違いはこれまでになかった新しいものを生みだし、製品化していくスピード感を考えた場合、とても大きな違いとなってはね返ってくる。
カーシェアもそうだが、日本がつまらぬこれまでの既得権にがんじがらめに絡め取られた規制を保っている限り、アメリカに追いつくことはおろか、早晩中国にも様々な技術や製品やサービスで追い抜かれていくのは間違いないように思えてならない。

それにしても、世界中でほぼスタンダートになった中国製のドローンが、撮影用カメラの代わりに人を殺傷する武器を積んで我々の頭の上を飛び回る時代が来ないことを祈りたい。

*以下追記 2018/08/16
調べたら、番組は昨年放送されたものの再放送だった。
http://www4.nhk.or.jp/P4999/3/

2018年8月14日

面白く、観てて痛い映画

映画を選ぶ基準として専門家による映画評がある。僕が参考にする映画評論家は何人もいるが、その中のふたりが芝山幹郎と中野翠である。理由は経験的なことで、彼ら2人が高評価している作品は、自分もすこぶる面白いと思った映画が多かったというこれまでの記憶からである。


その芝山と中野がほぼ絶賛していた「ミッション:インポッシブル フォールアウト」を観に行った。

出だしからのラロ・シフリンの音楽がいいなあ。テレビドラマ時代の「スパイ大作戦」の時から変わらないにもかかわらず、今も新鮮。56歳というトム・クルーズが全速で走る、走る、走る。

映画の舞台は、パリ、ロンドン、カシミール。どれもいいが、パリ編が魅力的。サロンのトイレでの立ち回りが凄い。ほとんど部屋全体を破壊しながらの拳闘が続く。観てて、こぶしが痛い! これは全編を通じてずっと感じていたこと。

そういえば映画終了後、スクリーンに流れるエンドロールを見ていて気になったのだが、そこにクレジットされているCarpenters、Plasters、Painters のスタッフの人数が尋常ではない。なるほど、こうした殴り合いのシーンを作る際の力の入れ方が確かに違うとその時あらためて感じた。

場面から場面への転換などはあまりにもご都合主義だが、そこはお約束というかご愛敬。シークエンスではなく、それぞれのシーンでの100%のアクションがすべて。これぞ、アクション映画ということだろう。

2018年8月10日

AIBOは予定より10日早くやって来た

アイボが届いた。以前連絡を受けていた予定よりずいぶん早い。工場で組み立てられている「製品」だから、不思議に思うことはないか。

段ボールを開けてみると、こんな繭のような形をしたパッケージが出てきた。


その中にアイボが収められている。


ゆりかごのなかで眠っているかのようだ。


そこから取り出しスイッチを入れてやると伸びをし、目覚めの体操を始めた。その後は、鼻先に付いたカメラでこちらの顔をしげしげと・・・。

2018年8月7日

東京医大は名称変更しては

報道によると、東京医科大学が医学部の入試にあたって、女子学生と3浪以上の男子受験者の入試得点を操作することで合格者を抑制していた。

文科省の局長が息子の裏口入学を図った一連のなかで明らかになってきた。東京医大の経営者は、女性は医師になっても妊娠や出産で職務を休むことが多いから「労働力」にならないと考えていたらしい。

3浪以上の男子受験者を邪険に扱った理由はなんだろう。大学卒業時に年を取りすぎているから? といっても3才ほどだ。3浪もしなければ入学できないのは頭がわるいと考えたから? 多少要領が悪いのは言えるかもしれないが、一方でそれだけ医師を目指す強い意欲がある連中ともいえる。

こうした東京医大の事件以来、自分が病院で医師を見る目が自然と変わって来ているのに気づく。どこかで、この人は東京医大の出身者で、裏口組ではないかなどと診察を受けていて気になるのである。

それはさておき、東京医大はこれを気に名称を変えるしかない。受験生からの評判ガタ落ち間違いないから。理事長など大学の経営者がそれほど男子学生を重視したいなら、そうした大学にすればいい。私立大学なんだし。

東京女子医大の向こうをはって、この際「東京男子医大」に名称変更し、堂々と男だけの医大にすればいいんじゃないのかね。医大としての評価も実力も面白みも下がるだろうけど。

それにしても、こうした内部告発が出てきた契機が文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」にまつわる役人の賄賂と裏口入学だったとは、完全にジョークだ。
 

2018年8月6日

国会議員の生産性とは

自民党の杉田水脈衆議院議員が、先月発売された「新潮45」で、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちについてこう書いた。
LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。
生産性って何? 産めよ、増やせよ、ってか。このスローガンに代表される1941年の近衛文麿政権時代に閣議決定された「人口政策確立要綱」は、軍事主義の象徴的な政策である。

杉田という自民党議員がどういう背景の持ち主か知らないが、また知りたいともおもわないけど、あまりに文学的イマジネーションがなさ過ぎることに愕然とする。いや、知性そのものが完全に抜け落ちている。

そもそもご本人は、そうした自分が「生産的な」人間だと思っているのだろうか。だとしたら、言おう。「税金返せ」

2018年8月2日

前期の授業終了

8月1日は、前期の僕の授業最終日だった。マーケティング科目の期末試験後に、学生たちが懇親会(打ち上げ)を開催してくれた。履修者の半分強が参加。こうした場では、ビール片手にクラス内ではできない話を個別にじっくりできるのがいい。