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2014年11月1日

街角の水飲み場

ローマを歩いていると、街角でチョロチョロと水が流れている水道栓と出くわすことがある。

ちょっとした工夫がなされていて、水が流れ出ている管のところの上部にも小さな穴が空いているのである。

普段は何も役に立っていない穴だけど、人が水を飲みたい時に水道栓の先を指で塞ぐとその上部の穴から水が噴水のように吹き上がるようになっている。

おそらく日本人の発想だと、この水道栓の先がくるっと上向きになるように考えるのだろうけど、仕組みからすればこの方が簡単ですぐれている。




2014年10月31日

システィーナ礼拝堂のミケランジェロ画

今日は、午前中に学会で研究報告を行った。終わった後、何人かがやってきて僕が使ったパワーポイントのプレゼンファイルが欲しいと言ってきたので、反応はまずまずだった。

その後は会場になった大学の中庭で参加者たちと軽いランチを取り、近くのヴァチカン市国へ。目当ては、何といってもそこのヴァチカン博物館内にあるシスティーナ礼拝堂。その天井一杯に描かれた、ミケランジェロの手によるフレスコ画をぜひ見てみたかった。

壁面をぐるりとキリストの誕生から復活までがマンダラのように描かれている。圧巻は、西側の壁面に描かれている大作「最後の審判」である。

以前ここを訪ねたことのある友人からは、暗くてあまり壁画が良く見えなかったと聞いていたのだけど、そんなことはなく首の疲れさえ気にしなければかなりはっきりとディテールを捉えることができ、大満足だった。

さっき夕食を済ませてホテルに戻り、テレビをつけたら、偶然にもCNNのニュースでシスティーナ礼拝堂の天井画のことが話されていた。すすが払われて元の絵がはっきり見られるようになったこと、さらには7000機のLEDライトによってこれまでになく明るく照らされるようになったことがレポートされていた。ノーベル物理学賞を受賞した日本の研究者たちのおかげだ!


2014年10月30日

取り付く島もない

ローマの中央駅であるテルミニ駅に、Borri Books というかなり大きな書店がある。駅の玄関口である地上1階と地下にも店を構えている。なかなかモダンな設えで、中身も充実している。


さてその地下の店の入口に貼り紙がしてあった。いきなりNOが4つ書いてある。英語で書いてあるのは、外国からの旅行者に向けてのメッセージなのだろう。書店の店頭で鉄道の切符を買い求めようとしたり、観光地への行き方を尋ねてくる客対策なんだろうが、この本屋さん、情けないほど店内に客がいないのである。 だから店員同士でお喋りばかりしてる。だったら、よく分からない観光客が来ても、対応してやればいいのに。そして、ローマ市内の観光地図でも買っていってもらえるようにすればいいのにね。



2014年10月29日

ボクサーの孤独

学会出張のためローマを訪れている。成田から13時間近くのフライトは、いささか疲れた。

成田空港では、アリタリア航空のシステムダウンでカウンターの搭乗手続きが大幅に遅れた。チェックインのためのコンピュータ・システムが使えないので、航空会社のスタッフが手作業(!)でカウンター業務をしたらしい。

僕は幸い、ネットで事前にチェックインを済ませていたのでカウンターの長い列に並ばないで済んだが、予約客のチェックインがすべて完了するのを待つために、フライトの出発が1時間ほど遅れた。

今日の夕方は、ローマ市内テルミニ駅近くのローマ国立博物館(別名、マッシモ宮)を訪ねた。夜7時45分まで開館しているので助かる。紀元前2世紀から紀元4世紀あたりの彫像、フレスコ画が実にたくさん展示してある。

その中で印象的だったのが、古代のボクサーをモデルにしたブロンズ像だ。紀元前1世紀ごろの作。ボクシングの選手にはどういった人物が選ばれたのか知らないが、彼らは全裸で両手の拳には皮のベルトらしいものを巻いて拳闘しあった。おそらくは罪人か奴隷かだろうか。



筋骨隆々たる肉体が見事に再現されている。よく観察すると、ただ筋肉が盛り上がっているのではなく、殴り合いの後を思い起こさせる筋肉上の腫れがそこには表現されている。

仲代達矢さんを思い起こさせる豊かに髭を蓄えた顔は、近くで見るとこれまた切り傷や腫れなどの様子が実にリアルに刻まれていて「痛い」。

この像には、The Boxer at Rest という題が付けられていた。試合を終え、静かに腰掛け、寂しげに虚空を眺める先に何を見ていたのだろう。