2021年10月29日

若い銀行員たち

駅前のM銀行で貸金庫を契約した。間違いなく来る大型地震への備えのひとつだ。

最初、電話で利用を申し込むと、審査があるのでまず一度来店してくれと言われた。銀行の担当者が相手の人物を<見る>らしい。面倒だが仕方なく銀行通帳と身分証明書をポケットに出向いたら、まだ学校を出たばかりと窺える若い女性行員から横柄としか思えない極めて事務的な対応を受けた。

客にとって効率的に手続きが進む事務的対応ならまだしも、時間を約束して店を訪ねたにもかかわらず何も準備しておらず、こちらが行ってから必要書類などを1つずつ揃えていく。客が目の前で待っているのだけど、眼中にないみたいだ。意識は、おそらく会社の先輩と上司に向かっている。

こうしたどこを見ているか分からない若い行員の「眼力」を試すために、わざわざ店まで客を呼びつけるなよ。

紙を1枚渡され、名前、住所、連絡先、携帯番号、勤務先名、勤務先での役職、勤務先住所などを記入させられる。で、「一週間ほどで審査結果が出ます」と告げられた。その結果が出なければ次の手続きは進まない。

10日ほどして審査に通ったという連絡があり、再度予約をして銀行の店舗を訪ねた(どうして銀行はいまだに窓口が午後3時までなのか?)。今回が正規の利用申込で、何枚もの書類に個人情報を記入させられる。すべての書類に口座開設時に届出したハンコを捺印していく。

手元の書類に判を押しながら「オタクではDXっての、何かやってるの?」 と聞いてみると、入行3年目というお客さま相談課のS林君は「本社ではいろいろ始めているみたいです」と。

「ハンコ、無くなりそう?」と尋ねると、「無理でしょうね」と彼。「こんなことお客さんにいつまでもやらせていると、そのうち誰も銀行使わなくなって、代わりに日々の決済なんかヤフーとか楽天でみんな済ますようになるよ」と言ったら、彼は「そうでしょうね(分かってるじゃない!)、でも僕が働いているうちは大丈夫だと思います(エエッ!)」だって。 

入社3年目がこれだから、銀行幹部のおじさんたちの頭の中は推して知るべし。銀行はなくなっても仕方ないけど、貸金庫の中身はなくさないように。