近所を散歩していたら、道の反対側を向こうから上半身はだかの男が疾走してきた。
このあたりは鶴見川土手が近いせいか、ランニングやジョギングをしている人たちと出会うのは日常のこと。だが、その男は白いシャツを手に、上半身はだかで全速力で走っている。というか、逃げていた。
何ごとかと思ってたら、「誰かそのひとを捕まえて〜」と叫びながら、その男を追う女性が現れた。彼女も全速力で駆けている。
続いて小学校高学年くらいの男の子が現れた。彼女を、そしてその先の半裸の男を一生懸命に追っている。その女性と少年は、裸足のままだ。
現場の状況が掴めず、しばし呆然としてしまったのだが、これは普通じゃないなと思い近くの警察署の番号を調べ電話をかけようとしていたら、その女性と少年がこちらへ戻って来た。男に追いつけなかったらしい。裸足が見るからに痛々しい。話を聞くと、逃げた男との間でいざこざがあったようだ。
電話に出た警察の人間に起こっていることを説明し、われわれ3人がいる場所を伝えたのだが要領を得ない。警察署からは車で1、2分ほどの距離。警察署の建物の前からどう進んだらよいか詳細に道案内をしたにもかかわらず、うまく伝わらない。
そこに配属されたばかりなのかも知れないが、それにしてもだ。警察署の建物の中に閉じこもってばかりで、周囲の地理的状況すら頭に入っていないのだろう。
その後、なんとか警察官にその二人の保護を任せて帰宅後、警察署から携帯に電話が入った。あらためてこちらの名前や住所を教えてほしいというのだが、その際、生年月日を訊いてきた。
何のためにそれが必要か訊ねたら「念のため」だとか。訳が分からない。だから代わりに星座を教えてやった。