端的に言って、SNSはクソだと思っている。
ネット上での誹謗中傷に関して寄せられた相談件数が過去最多を記録した。
そりゃそうだろう、ネット空間は増大し続けているなか、発信者のモラルは低下する一方なんだから。兵庫県知事選に際して発生したあまたの問題を思い返せば明らか。
人の意識は容易には変わらないことを考えれば、まずは制度や仕組みを変えることで対応していくしかない。
オーストラリアやフランス、米国のいくつかの州では既にSNS利用の年齢制限を法で設け、SNS利用の運営企業には利用者の年齢確認を義務化している。その他、デンマーク、スペイン、ドイツ、ギリシャ、フィンランド、ポルトガルで議論が進んでいて、だいたい15歳を利用制限年齢に設定するという方向で進んでいる。日本での実質的な利用者年齢についての規制はない。
2020年、フジテレビ制作の番組がきっかけで、女子プロレスラーの木村花さんが視聴者から大量の中傷誹謗を受け自殺した。その後、中傷投稿への対応をSNSの運営企業に義務づける情報流通プラットフォーム対処法が2025年にやっとできた。
だが、それには予防的な効果は期待できず、いくらかの事後的処理のための制度でしかない情けなさ。だって企業の対応はまちまちだし、腰は引けてるし、強制力はないし。役所がやってる振りを見せるための腑抜け規制と言われても仕方ない。
最大の問題は、誹謗中傷投稿の発信者を被害者が特定するのに極めて骨が折れること。時間がかかるし、問題解決に働きかけるのにも信じられないほどの手間がかかる。
日本では未だにそうした現状に対して鋭角的に切り込まない理由として、「表現の自由」が取りだたされている。
だが、考えてみればすぐ分かると思うのだけど、匿名での発言に「表現の自由」もないはず。誰が言ってるのか分からず、今では人間が発信しているのかどうかすら分からないのだから。
プラットフォーム企業が「発言の自由」を振りかざしてこれらの問題を放置しつづけているのは、ネット上の情報流通が多ければ多いほど彼らにとって儲けになるからに過ぎない。単純な話だ。
欧州のデジタルサービス法(DSA)は、利用者保護の観点からプラットフォーム企業にSNS規制をしっかりかけている。罰金もとる。違反企業の前年度の全世界での売上高の最大6%まで課す。
日本はそれに比較するとまるで何も規制していないに等しいのだ。間違いなく国の不作為である。
だからネット上の中傷誹謗についての相談件数がうなぎ登りになるだけでなく、泣き寝入りも後を絶たない状況が続いている。
冒頭、SNSはクソと書いたが、クソなのはSNSというシステムではなく、匿名でしか発言ができない奴と、発生している問題へ真剣に対峙しない当局の担当者がクソなのだ。




