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2017年3月16日

タクツァン僧院までトレッキング(ブータン / 5)

断崖に張りつくように建てられたタクツァン僧院までは、いったん登って、下って、また登るというやっかいな道のりだった。

途中の休憩と昼食をいれて、全部で6時間ほどの長い行程だった。ずいぶん疲れたが、幸いに天気に恵まれ、お参りには御利益があったのではないかな。当然ながら、自分の足で苦労してこそである。



鐘(巨大なマニ車)を回しているのは、今回ブータンを一緒に回った僕のドライバー。中に教典が収められていて、回転させるごとにそのお経を唱えたのと同じ功徳があるとされている。

2017年3月15日

ブータンは、犬が世界一幸せな国であることは間違いない(ブータン / 4)

初日に越えたドチュラ峠を今度は反対側から越えて、午後にティンプーの街に戻ってきた。天気は快晴。

ブータンが日本でも有名になったのは、GNH(国民総幸福量)という指標を国王が掲げたことにある。ただ、その調査に対しては問題を指摘することができる。

まず、それほど頻繁に(定期的に)測定されているものではないこと。そして、肝心なのはその調査法。僕が今回現地で知ったのは、役人たちが全国のそれぞれの管轄地域の家を個別に周り、すごく幸福、幸福、幸福でない、の3つの選択肢から回答を求めて取ったデータがもとになっている事実。わざわざ家を訪れてきた役人に、三つ目の「幸福でない」と回答するのは一般的国民は難しかったはずだ。

米国でトランプが事前予想を裏切って大統領になったように、調査とはそのやり方次第で本当の姿を見えなくしてしまう。それも意外と簡単に。

ティンプー市内の目抜き通り

 
各地に向かうバスが発着するターミナル

お喋りしながら編み物をするおばさんたち

民族衣装「ゴ」「キラ」の生地を売る店

この国には信号は1つもない。おまわりさんが手でさばく。

街中に一件だけ、illyのコーヒーを飲ませる店があった

それはさておき、ティンプーに限らずブータンを歩いていて感じたのは、どこにでも犬(ほとんどは野良犬)がいて、人間と共存するようにのんびり生きていること。

殺生を禁ずる国だから、野良犬といえども日本のように捕獲して殺処分するなんてことはあり得ない。だから、わんこたちも実にのんびり昼寝している。

ここでは犬たちが世界一幸福なのは、間違いないと思う。

のんびり昼寝する野良たち

ここにも

どこにでも

人が近くを通ったって平気

野良が完全に町に溶け込んでいる

人間と仲良し

2017年3月14日

農業試験場を訪ねる(ブータン / 3)

早朝、ホテルの周辺を散策していた時、子供を抱いた女性に会った。すれ違いざまに「クズサンポー」と話しかけたら、「クズサンポー」と返ってきた。「こんにちは」の意味だ。僕が知っている唯一のブータン語である。


「日本からですか」と彼女から日本語で話しかけられ、そうですよと答えたところ、「私のオフィスには日本の人がいます」と。彼女はこれからそのオフィスに出勤する途中らしい。子供を抱いて出勤しているのは、急にベビーシッターが来られなくなったからだそうだ。

その日本人は、ブータンに来てもう30年以上にわたり農業指導をしている方だと言う。アグリカルチャー・リサーチセンターで働いていると聞いた。今朝はカムスムユーレイ・ナムゲル・チョルテンという仏塔を午前中に訪ねる予定だったが、予定を変更した。

彼女から教えてもらった電話番号に連絡するとその富安さんが出た。ただ彼は近くの村に農業指導に行く予定で、いまはそこへ向かっていて運転中だと言う。でも事務所にはもう1人の日本人がいると話してくれた。その人は協力隊の調査員を経て、その後ブータンで農業指導の仕事をしている佐々木さん。

朝食後、話を聞きにアグリカルチャー・リサーチセンターの佐々木さんを訪ねた。正式にはアグリカルチャー・リサーチ・アンド・デベロップメント・センターというらしい。

事務所で佐々木さんからブータンのこと、特に山岳地帯での農業のことなど話をうかがったあと、「フィールドを見てみますか」と言われ外に出た。ここでは主として園芸作物を試験的に栽培している。かつて稲作は、日本から農業指導の目的でブータンに来た西岡京治さんが長年努力をされて、この国の状況を大きく改善した歴史がある。

かなりの広さの土地に、数々の果樹が植えられていた。弘前大学の学生が持って来たというリンゴの木が4本植えられていた。
 
何も娯楽がない(ように見える)ブータンのいなかの村に、現地のために働いている日本の人たちがいるのを知り、すこし背筋が伸びたような気がした。





2017年3月13日

ドチュラ峠を越える(ブータン / 2 )

ブータンの首都ティンプー(Thimphu)からプナカ(Punakha)へ行く途中にあるドチュラ峠(Dochula Pass)を越える。標高は3150メートルほどだが、数日前の大雪で冠雪していた。向こうにヒマラヤ山脈の山なみがみえる。


プナカへ。ブータン仏教美術の粋を集めて修復されたというプナカゾンを訪ねる。

プナカゾンの入口(ゾンは大規模な僧院)  
プナカゾン全景
その後、チミラカン(ラカンは寺の意)まで田舎道を小一時間歩く。途中、地元の子供たちにたくさん会う。

途上国の子供たちはどこでも思いっきり明るい
チミラカンは子作りで有名な寺。そのせいか、村のなかには男性のシンボルのイラストが平然とあちこちに描かれている。

2017年3月12日

大雪でフライトが遅れる(ブータン / 1)

羽田空港を発ち、中継地のバンコク空港には予定より小一時間近く到着した。予定では乗換が1時間半を切っていたので、僕の預け入れ荷物には「Hot Transfer」の黄色いタグが付けられていた。

ところが、朝6時50発のロイヤル・ブータンエアウェイズの飛行機はいつまで経ってもバンコクに現れない。どうも昨夜のブータンでの大雪でフライトが大幅に遅れているらしい。修正された予定は、午後1時30分。6時間以上の遅れだ。

お陰でブータン航空持ちで空港内のトランスファー用ホテルの一室を取ってもらい、シャワーを浴び、一眠りすることができた。しかし、僕はバンコクの空港で昼寝をするために来たのではない。早くブータンに到着したい。

結局、フライトはさらに遅れ、午後2時45分頃にやっと搭乗機はバンコクからブータンのパロを目指して飛び立った。

お陰でパロ空港に降り立ち、実にスローで時間のかかる入国手続きをクリアして空港から外に出たときには、もうあたりは暗くなっていた。その日の午後の予定がすべてとんでしまった。