2012年5月16日
夕刻のキングストンで(ジャマイカ /2)
そのバーで一人で飲んでいるところに現れたのは、ベルギー人の国連職員。バーテンダーだけでなく、周りのスタッフたちとも顔なじみの様子で、頻繁に来ている感じである。ホテルの入口近くでクルマを運転して駐車場に入る彼を見かけたから、本当はアルコールはだめなんだろうけど、当たり前のようにビールを何本か注文していた。NGOの活動の支援をしていて、コソボやソマリア、コンゴ、その他数ヵ所危険地域と思われるところでの勤務を経験し、1年半ほど前からキングストンに赴任しているという。
話をしてみるまで、何をやっている男か想像できなかった。ビジネスマンにしてはざらついた感じがあるし、では自由人かというと、着込んでいるジャケットとネクタイはそれには似合わない。仕事の内容を聞き、なんとなく納得。いささかやさぐれた雰囲気である。
目が覚めた後はダウンタウンまで行くのはやめにして、夕食前の軽い散歩に。
公園でジャマイカ人の新婚カップルとその家族が写真を撮っていた。優しそうな彼と逞しい彼女、迫力ある叔母さん。
2012年5月15日
キングストンでもラジオ体操(ジャマイカ /1 )
夕方の散歩の途中、キングストン市内のEmancipation Park(解放公園)でiPhoneのスピーカーから伴奏を流しながらラジオ体操をする。ラジオ体操をするのは、日本を離れてからの日課になっている。あまり健康に気を遣う方ではない僕の唯一の健康法である。
周りから、子どもたちが寄ってくる。素知らぬふりして、体操を続ける。
彼らは最初、まるで見せ物の猿でも見るかのようにこちらを眺めているが、そのうち何人かが面白がって真似を始める。他の子どもたちはそれを見て大笑いしながら、やがて自分たちも一緒にラジオ体操(の真似ごと)を始める。
ラジオ体操を終えたあと、そいつらの方を向いて拍手をしてやると、彼らも喜んで一緒に拍手をする。
2012年5月14日
ジョブシェアリング
日本語なので振り返ると、3歳くらいの女の子とその父親の2人がいた。切りのいいところで本を閉じ、話しかけた。日本の監査法人に勤めているというNさん親子で、少し前から家族でニューヨークに来ているらしい。仕事ですかと聞いたら、研修が主で1年半の滞在予定だとか。いまどき、なかなか羨ましい。
その監査法人というのは、私のゼミ修了生が昨年まで務めていた会社だった。昨年の初め頃だったろうか、彼が研究室に相談にやってきた。人員整理のためのインセンティブ・パッケージが会社から発表になり、手を挙げようかどうしようか悩んでいるという。大手の監査法人だけあってか、その経済的補償は十分なものに思えた。「一年間、世界中を旅して回れるね」と僕が彼に言ったのは、冗談だけではない。それほど魅力的な内容だった。
今日のニューヨーク・タイムズに、"The Human Disaster of Unemployment" という記事を見つけた。それによると、雇用を失った人の中で6ヵ月以上仕事を探して入るにもかかわらず職に就けない人の割合が、米国の就労者全体の4.2%になった(2010年度の統計)。リーマンショック以前の2007年度の数値は、0.8%だったから3年で5倍以上に膨れあがった。4.2%の中には6ヵ月以上経っても就職先が見つからず、職探しを諦めた人の数は入っていない。それを加えると、数値は1.5倍になるという。
経済学者のダニエル・サリバンとティル・フォン・ヴァクターの論文によると、職を失った男性高齢者がその翌年に死亡する確率はそうではない場合に比べて5割から10割高まる。理由の一つとして挙げられているのが自殺率の増加である。最近のあるレポートによると、失業率が10%あがると(つまり8%が8.8%になると)男性の自殺率は1.47%分上がると報告されている。
病気にも関係がある。その原因については詳しく説明がなされていなかったが、失業者がガンで死亡する比率はそうでない人より25%高い。心臓病や精神疾患を病む割合も高くなっている。また本人だけでなく、職を失ったことは家庭全体に影響を及ぼす。男性が職をなくした場合、その夫婦の離婚率は一般的な夫婦に比べて18%高くなっており、女性の場合は13%高くなるとの統計数値がある。子どもの学業達成度も低下する。
記事は、ドイツで実施されているジョブシェアリングの導入を提案していた。企業や国が負担する種々の手当などのコストを考えると、業務の分担の見直しによる労働時間の短縮の方が理にかなっていると主張する。経済的な理由だけではない、長期間にわたり職から離れた場合、職業人としてのスキルを衰えさせるだけでなく、自尊心を失せることになる。
日本でも以前ジョブシェアリングが議論されたことがあったが、じきに耳にしなくなった。職種にもよるが、その適用をもう一度検討してもいいんじゃないだろうか。労働の流動性が低い日本の方が、米国よりも適用しやすいのは間違いない。そもそも、誰だっていつ首を切られるかわからない会社にロイヤルティを持って働くことなど出来るわけがないのだから。
2012年5月13日
INTREPID
予約していた朝9時からの潜水艦ガイドツアーへの参加者は、僕一人だけ。ガイドのおじさんからマンツーマンで詳しく話を聞きながら、隅々まで案内してもらう。
最後に見た魚雷発射室。魚雷の隣にベッドが3台。狭い艦内のなかでは最もゆとりのあるベッドスペースで、かつ艦内の他の場所と比べて静かだったので潜水艦員に人気だったとか。
会場の端、桟橋の先っぽに展示されていたBAコンコードと再会。BAに勤務していた時、ロンドン・ヒースロー空港の整備場でキャビン内を見学させてもらって以来である。懐かしい。
先月JFK空港に運ばれてきたスペースシャトルは、今年7月19日からここで展示されることになっている。
会場内に3D(メガネをかけて見る)でフライトのシミュレーションが経験できる装置があったので、9ドル払って中に入ってみた。飛行機が航空母艦を飛び立ち、目的地を爆撃して戻って来るという6分ほどのストーリーだった。最初に「本日のミッション」が発表されるが、なんと硫黄島爆撃である。
2012年5月12日
Columbia University Film Festival
今月4日からマンハッタンの中のいくつかの劇場を行われていたColumbia University Film Festivalが、昨日のFaculty Selects Film Screening & Awards Celemony で幕を閉じた。この催しは、今年で25周年目。
会場は西94丁目のSimphony Space。僕が今住んでいるビルの地下にある。
上映された作品は、コロンビア大学芸術学部(School of the Arts)大学院の映画専攻の学生たちが卒業製作でつくった15分程度の短編が中心だ。昨日は同学部の教員が選んだ7作品が上映された。どれも学生が作ったものとは思えない、なかなかの出来映えだった。
特に印象に残ったのは、Three Light Bulbsというタイトルの中国語の作品。中国人の女子学生が監督した短編である。脚本、製作、撮影監督、編集、出演のすべてが中国人(中国系)である。ロケ地は中国の地方都市。
若いエンジニアの女性が、生まれ故郷の中国の田舎町にソーラーパネルといくつかの機器を手に帰って来る。彼女の父親がいまも住む家には電気が来ていない。彼女と父親は折り合いが良くない。娘は年老いていく父親が気がかりなのだが、父親は彼女が母親が亡くなったときに帰郷しなかったことを許すことができず、今でもそのことで娘をなじる。
ほんの数日の滞在の後、娘はいま暮らしている都会へ帰って行く。その日、日が暮れた後、父親が畑仕事から帰ってくると部屋の中に裸電球がぶら下がっていた。娘が、持って帰ったソーラーパネルを屋根の上に設置し、バッテリーに電気が溜まるようにしていたのだ。父親は、その明かりを何度も点けては消し、点けては消す。彼女が父親と昔のつながりを取り戻した瞬間である。
短編映画の文法通りに作られたような作品ともいえるが、細部に神経の行き届いた完成度の高いフィルムであり、作り手の高い技量を感じた。
2012年5月9日
国連本部見学
入口で列に並び、建物に入るまで30分ほど待っただろうか。ゲート付近で高校生の団体と一緒になる。とにかく、やかましい。大騒ぎしていて、引率の先生たちが注意しても聞く耳を持っていない。
この連中と一緒のグループでまわるのは厭だなあと思っていたら、ちょうどその日の日本語ツアーが始まるところだったので急遽そちらに参加させてもらった。僕を入れて4名の少人数のグループで、騒がしいアメリカの高校生とは別ルートで見学できた。
2012年5月8日
Blue Man Group
全編にユーモアがと知性が感じられる、誰でもが楽しめるショーである。言葉を排し、身振りと表情、そして楽器(打楽器)を中心に客席とコミュニケートしていく。良く練られた構成と完璧なまでの演出、そして洗練されたパフォーマンスと演奏に驚く。
東京公演は終わってしまったが、現在米国内5カ所とベルリン、そしてノルウェイのクルーズ船上で公演が行われている。出演は3名のブルーマンたちとバック・ミュージシャンが3名。
出演者はすべて「ブルーマン」で、個々の役者は前面には出ない。何もしゃべらない青塗りの3人だから、背丈や体つき、全体の印象でしか判別できない。劇場でもらったプログラム(Playbill)によると、製作・制作・脚本の欄に3名の名前があり、ブルーマンの欄にはその3名を含む11人の名が記されている。
ショーはパッケージとして固まっているので、どこにでも持って行けそうだ。ビジネスモデルとしても面白い。
ショーが始まるまでステージ上のスクリーンに投射されていたメッセージ。
ショーが終わった後、劇場ロビーで彼らの一人と写真を撮らせてもらった。
2012年5月7日
Broadway Festival
日曜日なのに、窓の下がやけに騒がしい。ブラインドを上げて覗いてみると、ブロードウェイの片側が車両通行禁止になり、様々な屋台が開店の準備をしている。
何だろうと、軽く朝食を済ませてから沿道に出てみた。「お祭り」らしく沿道には焼きたてのピザやアイスクリームの店がならび、衣料品やアクセサリーをはじめ多様な屋台が軒を連ねていた。
会場は86丁目から96丁目まで。今年で24回目になる Broadway Festival という催しらしい。
Pig Roast と書かれた巨大なロースター。煙突から煙が上っている。中は子豚の丸焼きだろうか。
2012年5月5日
映画 Marley
ボブ・マーリーが亡くなって30年以上がたつ。今、映画の中のマーリーを振り返ると何が見えてくるだろう。そんなことを考えながら劇場へ向かった。
ところで、この映画では彼の生い立ちが初っぱなから何度も繰り返される。僕はこの映画を観るまで知らなかったが、彼の父親は英国の海軍大尉で、母親はジャマイカ人である。つまり、彼には白人と黒人の血が半分ずつ。オバマ米国大統領と同じだ。でもどちらも白人とは呼ばれず、黒人と呼ばれる。
2012年5月2日
Incredible Shrinking Country 日本
文中では他の論文からの引用で、日本ではパラサイトシングルが何百万人いるとか、若者が引きこもっているとか、赤ん坊型ロボットを研究者が本気で開発しているとか、結婚披露宴には数合わせのためにレンタルされた親戚が出席するとか、外国メディアがよくやるような興味本位の事例が紹介されている。
合計特殊出生率が2.07を下回ると国の人口が低下するとされているから、日本は確かにその路線に乗っている。しかし、人口が減ることは悪いことなのか。それが問題だとすると、誰の問題なのか。また、出生率の低下とよくペアで語られる平均年齢の高齢化もマズイことなのか。
一つ例を挙げると、ロシアの出生率は日本とそう大差はない。だが、ロシア男性の平均寿命は60歳を下回っている一方、日本男性は80歳である。日本はロシアに比べて明らかに高齢化社会である。だが、人が長生きできる国の方が、早死にする国よりいいと思うが。高齢化社会、結構ではないのか。
数日前、香港在住の友人が日本経団連がまとめたレポートを送ってくれた。http://www.21ppi.org/pdf/thesis/120416.pdf
そもそも40年先についての予測値の確からしさは疑問だけど、それは置いておこう。
彼らにとっての問題は人口の減少である。人口低下は市場の縮小、労働人口の低下を意味するからだ。明示的に書かれているわけではないが、財界の発想がそうであることは間違いないだろう。
このレポートに名前を連ねている大企業のトップ経営者たちがどう考えているかは知らないが、もしここに書かれている実態と予測内容に関して問題意識をもっているのなら、彼らには経営者としてやってもらいたいことがある。
育児休業を取りたくても種々の理由で取れない社員が、きちんと制度を利用できるようにすること。パート社員の雇用の不安定性の改善など。昇進などに関しての 男女の差別も多くの企業で厳然と存在している。少なくともこれらは、経営者が変えようと思えば、変えられるはずである。
2012年4月30日
4発の模型飛行機
個人情報の流れ
こちらが受話器を上げると、いきなりジェーンだとかスーザンだとか自分の名前を名乗るなり、もの凄い早口でこちらに言葉を挟ませる余裕もなくサービスの内容や、それがいかにお得で今だけのチャンスなので見逃す手はないとまくし立ててくる。おそらく成功率が決して高くない電話セールスを一日に何百件もやっているのだろう。
生身のオペレータではなく、こちらが受話器を取ると、機械に喋らせる企業もある。失礼と言えば失礼だが、この場合は機械アナウンスの終わりに選択肢が与えられ、「今後コンタクトが必要でない方は、○番を押してください」とくるものが多い。一応、オプトアウトができる仕組みにしてある。
今日のニューヨークタイムズ紙に「Following the Breadcrumbs on the Data-Sharing Trail」という記事があった。Breadcrumbs はパンくずのこと。
企業から個人情報が転売され、使用されることに不快感や不安感を持つのは米国人も同様である。Natashaという名の記者が、NatawshaやNafashaという風に名前や住所を少しずつ変えて6つの雑誌の定期購読を申し込んで、どこからどこへ自分の個人情報が流れるかをトラッキングした。その結果、他の雑誌、新聞、チャリティ、大統領選の選挙事務所などからそれぞれアプローチがあった。
一般的にはプライバシーをとても大切にする米国人たちも、企業による個人情報の扱われ方には日本人ほどは注意を向けていない。おおらかと言えばおおらかだ。不用なダイレクトメールや電話は煩わしいが、そのことでの直接的な実害はないからかもしれない。
しかし、このことはいずれ企業と顧客の信頼の問題につながっていく。どれだけ顧客をハッピーにできるか、不安感をなくせるか、という競争になった時、こうした問題は決して小さな事ではなくなるはずである。
2012年4月29日
電話番号の非対称性
書類には、僕の自宅住所、電話番号、携帯電話番号、勤務先名、勤務先住所、勤務先電話番号、保証人の名前と住所、電話番号、携帯電話番号、さらに保証人の勤務先名と住所、その電話番号を記入せよとなっている。
クルマを1台駐める場所をマンションの下に借りているだけである。そこにはもう10年以上も住んでおり、駐車場の契約も更新であるにもかかわらずだ。書類に自宅住所、電話番号、携帯電話番号、保証人の方の名前と住所、電話番号を記入し、捺印のうえ管理会社に返送していた。
その時はNYから国際電話したのを思い出した。相手は担当者が休みで、代わりの人と話したが、なぜ6つもの電話番号が必要なのかとの質問には、「いざというときに、確実に連絡がつくためにです」とのこと。なるほど。しかし、こちらが相手に連絡をつけようとすると、就業時間後や土日祝祭日の場合は平日の就業時間中にあらためて電話するようにとの録音が受話器から流れてくる。
客から6つもの電話番号を提出させるのであれば、こちらからも必要な時に連絡がつくようにして欲しいとお願いした。24時間365日通じる電話窓口を作って欲しいと言ったところ、相手は黙ったまま。そして、それが開設されるまでは、担当者の方の携帯電話番号と自宅電話番号をこちらに教えなさいと言ったところ、またしても黙ったままだった。返答なしだ。
仕事の中身や意味を考えずに仕事をしている証拠である。
無用に顧客の個人情報を集めるのは感心しない。
2012年4月28日
読書コーナー
3階にカフェがあるけど、いつもいっぱいで坐れたためしがない。普通のカフェじゃないから、お客はみんなひとり客。書棚の本や雑誌を持ち込んで、コーヒー片手に何時間も「読書」にふけっている。4階には著者講演会などに使うイベントスペースがある。お客はそこにも本やら雑誌を持ち込んで自由に読んでいる。何十冊もの本を運び込んでいる人もいる。まるで図書館の閲読スペースだ。時折店員が来て、席に残されたままの本や雑誌を片付けていく。
2012年4月25日
If it ain't broke, don't fix it.
マイクロソフトが、OSやMSオフィスをアップグレードの度に利用者不在としか思えない不要な変更を施し、顰蹙を買っていた同じ轍をグーグルが踏んでいる。
2012年4月24日
1-800-DIVORCE、BANKRUPTCY
2012年4月23日
Tribeca Film Festival
映画の上映が中心だが、トークショーもいくつか行われている。そのなかのひとつ、マイケル・ムーアとスーザン・サランドンのトークショーに出かけてみた。スーザンがインタビュアーとして、マイケルにインタビューするという趣向である。
マイケルは次の作品のテーマを聞かれて、昨年9月以降ウォール街を中心に"We are the 99%" をスローガンに行われている抗議運動「ウォール街を占拠せよ」をテーマに考えていると話していた。楽しみだ。
ところで、今日は僕がNYに来てから初めての雨らしい雨の一日だった。これまで1ヵ月半以上、ほとんど雨に降られなかったのが不思議なくらいだ。会場の出口で、また帰りの地下鉄のなかでも気付いたのだが、こちらの連中は折りたたみ式の傘が多い。きちんとした傘を持ち歩く習慣がないのか、嫌いなのか。小雨程度だと、濡れても気にしない人も多い。
2012年4月22日
ビジネススクールの図書館で
最初、ここに入った時はちょっと驚いた。ビジネススクールらしく、グループ学習のための小部屋が周りにずらっと配置されていて、学生たちがパソコンのディスプレイを眺めながらディスカッションしている様子がガラス越しに見える。それはいい。しかし、そうではない一般の閲覧スペースにおいても学生たちは平気でお喋りをし、ピザをぱくつき、携帯電話で話をしている。
しかし、他のライブラリーを覗いて、この様子はビジネススクールのライブラリーならではだと分かった。他では一切話し声は聞こえず、静粛そのもの。食事をしながらパソコンのキーボードを叩いている学生はいない。誰もが静かに本に目を走らせ、ノートを取っている。国や地域を問わずどこでも見かける風景だ。
それにしても、同じ大学の図書室でありながら、学生(プログラム)によってこれほど違うとはね。
2012年4月19日
老舗デリカテッセンのサンドイッチ
ニューヨーク・シティセンターで芝居を観た後、カーネギー・デリに遅い夕食を取るため友人に誘われて入った。
ここは古くからある有名なデリカテッセンで、ウディ・アレンの映画『ブロードウェイのダニー・ローズ』にも登場する。だからなのか、彼にちなんだ「ウディ・アレン・パストラミ・サンド」という料理がメニューにあった。
メニューを見ると、それとは別に「パストラミ・サンド」というのもあるので、店員にそれらの違いを尋ねたら、こちらはパストラミハムにコーンビーフが挟み込んであるとか。ものは試しと頼んでみたら、違いはコーンビーフだけではなく、そのサイズだった。
いちおうサンドイッチと呼んでるが、巨大なパストラミの固まりの上下に申し訳程度にスライスしたパンが添えられているという代物である。
これがその写真。 ははは、参ったけど、頑張って平らげたよ。
2012年4月12日
Amateur Night at Apollo Theater
2時間あまりのショーは2部の構成。第1部は年少者コースとでも云うか、文字通り若いタレントのコンペティションである。 そこにミレイという名の13歳の日本人少女が登場した。コンペティションの4組のなかのひとりとしてである。ホイットニー・ヒューストンの I Will Always Love You を歌い、会場から大喝采を受けた。歌が上手いし、それに選曲も良かった。あのアポロの舞台でまったく物怖じせず、歌を楽しんでいる彼女は日本人離れしていた。
その彼女、アメリカ育ちの日本人といったところかと思っていたが、実はそうではないらしい。彼女が今回の予選(その予選に出るだけでも大変らしい)の4組の中(彼女以外はすべて米国人)で断トツの評価でトップに選ばれたあと、舞台上で司会者のカポネに話しかけられるとちんぷんかんぷんだった。彼女が舞台袖に消えた後、彼は「Amazing! She can sing, but she can not speak English」とコメディアンらしくからかっていた。
彼女は実際に英語が分からないらしい。でも、彼女が歌ったホイットニーの曲は実に素晴らしく、米国人の観客たちから文字通りのスタンディング・オベーションを受けていたのは感動的だった。さて、彼女がアポロでどこまでいけるか・・・。
AKB?
映画の撮影でもやっているのかなと近づいたが、カメラは1台しかない。どうも映画ではないみたいだ。と思っていると、そのカメラが狙っている被写体は日本人の少女たちである。「何だこれは?」。
横向きの鼻の大きな女の子はどこかで見たような・・・。
少女たちが円陣を組み、右手をその円の中に差し出した後、掛け声と共に四方に散っていくという意味不明のシーンのリハーサルをしていた。バレーボールで選手たちが試合途中のタイムの終わりにやるやつだ。
簡単なシーンだと思うのだけど、なかなかOKが出ない。ワンテイクごとに日本人スタッフが集まっては何やら相談している。カメラマンなどアメリカ人スタッフは白けた感じで待っている。演出プランが決まってないのだろうか。そんな事を思いながらコーヒー片手にカメラを向けていたら、プロダクション・マネジャーらしい日本人スタッフに睨まれた。
The High Line Park
かつてチェルシーにあった高架鉄道跡を利用した、ちょっと変わった公園がハイランド・パークである。地下鉄の14丁目から10分ほどのところ(ガンズヴォート通りとワシントン通りの交差するあたり)から、ずーと31丁目まで伸びている。
もとは精肉などを運ぶための貨物用の鉄道路線だった場所で、細長く、結構くねくねしている。高架線跡とあって高さがビルの3階くらいの高さなので、地上を歩いているのとは違った視点で街の景色が見えるのがおもしろい。
この階段から高架公園に上がる。
季節の木々や花が植樹してある。
向こうにエンパイヤステートビルディングが見える。
窓から上半身裸の男性が手を振っていると思ったが、よく見てみると部屋の中におかれた等身大のカットアウトだった。
2012年4月7日
アメリカ自然史博物館へ
プラネタリウムではJourney to the Starsという30分ほどのショーが上映されている。宇宙の誕生から現在、そして未来の宇宙がどうなるかについて分かりやすく、説明してくれる。ストーリー、映像、音楽のどれも素晴らしい。ウーピー・ゴールドバーグがナレーションをしている。エンドタイトルで、一瞬だがGoto Inc. という名を目にしたので確認したらやはり日本の五藤光学研究所だった。彼らが制作協力という形で出資製作しているらしい。五藤光学の人によると日本語版も制作してあるとのことだけど、日本では現在上映しているプラネタリウムはどこもないというのが残念。
http://www.amnh.org/rose/spaceshow/journey/?src=e_h
最上階フロアのセントラルパーク側の窓から。
2012年4月2日
ベートーヴェンの交響曲第10番
2012年3月31日
イヤホンマイク
例えばそれは、後ろから何か話しながら自分に近づいて来る人に意識が向かう時だ。何だろうかと軽く振り向くと、イヤホンマイクで話をしながら歩いてるだけだったりする。これだけは未だに慣れない。街の雑踏の中で彼らが話している英語がよく分からない不安感からだろうけど。
そうした連中は飽くことなく話し続ける。いずれ日本でも「これ」が増えそうな気がする。