2025-04-14

米の値段は本当に高いか

米の小売価格が上がり、「高い高い」という声がテレビなどから聞こえてくる。「おいしいお米を安く食べたいのに」との主婦などの声が。

だが、おいしいものは高いのだよ。それは米だけでなく、肉だって野菜だって魚だってそうだろう。それなのに、米だけがおいしくて、しかも安いのが当たり前という考えは変だと思う。

小売店で米が2キロいくらとか、5キロいくらでどれだけ値上がりしたかが取りだたされているが、あらためて言うが、そんなに高いだろうか。

以前から買っているあるブランド米は、これまでと同じ店舗で5キロで1000円ほど値上がりした。試しに自分が食しているのが、一食分でいくらほどか計算してみたら100円ほどだった。1日2食の生活をしているのを割り引けば、普通の食生活ではもっと安い計算になる。

安いもんだと思う。外国から日本に帰ってきて、自宅でご飯を炊いて食べるとその旨さに感激する。アジアの各国にいるときは現地で炊かれたライスを普通に食べるが、それに比べて日本のご飯は格段においしいと思う。

ただ、もっとバリエーションはあってもいいかもしれない。多少味や香りが劣っても価格が安い品種などだ。肉や魚、その他のほとんどの食品に高価な物から廉価なものまであるように、米にももっと価格差が欲しい。 

農水省が長年にわたって作付面積を減らすように仕向けてきた政策は、いい加減方向転換が必要だろう。穫れすぎると価格が下がるから、という理屈だが、穫れすぎた分は海外に輸出したり、人の食料以外の用途(酒や麺などの加工食など)に用いればいい。頭をちょっと使えば解決できる類のことばかりだ。

あとはJA全農が自分たちのあり方を考え直すとともに、農業(米作)を志す人たちの扉を閉ざすようなことは止めること。自民党の票田として異常に保護され、政策によって改革が遅れに遅れた分野である。この機会に、そろそろ解き放ってもらいたい。