2012年5月2日

Incredible Shrinking Country 日本

ニューヨーク・タイムズ日曜版に Incredible Shrinking Country というタイトルのコラムが掲載されていた。http://www.nytimes.com/2012/04/29/opinion/sunday/douthat-incredible-shrinking-country.html

文中では他の論文からの引用で、日本ではパラサイトシングルが何百万人いるとか、若者が引きこもっているとか、赤ん坊型ロボットを研究者が本気で開発しているとか、結婚披露宴には数合わせのためにレンタルされた親戚が出席するとか、外国メディアがよくやるような興味本位の事例が紹介されている。

合計特殊出生率が2.07を下回ると国の人口が低下するとされているから、日本は確かにその路線に乗っている。しかし、人口が減ることは悪いことなのか。それが問題だとすると、誰の問題なのか。また、出生率の低下とよくペアで語られる平均年齢の高齢化もマズイことなのか。

一つ例を挙げると、ロシアの出生率は日本とそう大差はない。だが、ロシア男性の平均寿命は60歳を下回っている一方、日本男性は80歳である。日本はロシアに比べて明らかに高齢化社会である。だが、人が長生きできる国の方が、早死にする国よりいいと思うが。高齢化社会、結構ではないのか。

数日前、香港在住の友人が日本経団連がまとめたレポートを送ってくれた。http://www.21ppi.org/pdf/thesis/120416.pdf 
そもそも40年先についての予測値の確からしさは疑問だけど、それは置いておこう。

彼らにとっての問題は人口の減少である。人口低下は市場の縮小、労働人口の低下を意味するからだ。明示的に書かれているわけではないが、財界の発想がそうであることは間違いないだろう。

このレポートに名前を連ねている大企業のトップ経営者たちがどう考えているかは知らないが、もしここに書かれている実態と予測内容に関して問題意識をもっているのなら、彼らには経営者としてやってもらいたいことがある。

育児休業を取りたくても種々の理由で取れない社員が、きちんと制度を利用できるようにすること。パート社員の雇用の不安定性の改善など。昇進などに関しての 男女の差別も多くの企業で厳然と存在している。少なくともこれらは、経営者が変えようと思えば、変えられるはずである。