毎年3月11日には、あの頃のことを思い出すために以下のアーカイブを見ることにしている。ニューヨーク・タイムズのカメラマンが撮った3月11日から27日までの254点の写真である。
船が陸地に乗り上げ、
家屋が崩壊し、
棺が地中に並べられ、
原発は煙と水蒸気を吹き上げ、
体育館には全面にシートが敷かれ、
理容師や医師や学生のボランティアが集まり、
街があった場所は一面の瓦礫と化し、
老人は雪のなか崩れ落ち、
絞られた生乳は捨てられ、
泥で汚れた写真が見つかり、
多くの人が担ぎ出され、
見つけ出された遺体はブルーのシートでくるまれ、
店頭から商品が消え、
墓石は倒れ、
人々は掲示板の訪ね人メッセージに目を凝らし、
配給の弁当を受け取る長い静かな列ができ、
被災者らの額には放射能の線量計があてられ、
壊れたマネキンの男は笑い、
自衛隊員は黙々と作業し、
人々は手を合わせる。
ニューヨーク・タイムズ紙掲載の写真(2011年3月13日) |