2023年3月26日

生成AIの大学での使われ方

野口悠紀雄さんならやるだろうナ、と思っていたことをやってくれた。

生成AIに、試しに評論や論文を書かせてみることだ。彼が使ったのはマイクロソフトのBingで、それに経済評論を書かせるという作業を実験的にやらせてみた。

僕は自分では使ってみてはいないので知らなかったが、Bingがアウトプットする文章には文字数制限が設定されている。しかしそれも、有料バージョンでそのうちそうした制約はなくなるだろう。

今回、3000文字程度の経済評論の仕上げを野口さんは想定したので、何回かに分けて生成AIに作業をさせた。生成AIが作成した文章そのものは紹介されていないが、それは一見すれば問題のない「立派な」評論だったようだ。

ポイントは指示を明確に出しさえすれば、それなりのアウトプットが期待できると言うことだ。

そして彼は、「経済評論や経済解説の多くが存在意義を失った」と述べる。失うだろうではない、失った、だ。生成AIが我われの周りで話題になってまだ1年にもならないというのに。ビジネスユースを想定した正規版は、まだリリースされていないというのにだ。

概要だけを書けば、それで十分です。あとは、生成系AIが詳しいデータや詳しい状況を調べて、わかりやすい記事に仕立ててくれます。したがって、新聞や雑誌や書籍、あるいはウェブにある解説記事の多くは、少なくとも潜在的には、もはや存在意義を失ったと言うことができます。

驚きと不安な気持ちが押し寄せる。

大学という環境を考えれば、学生らの学びのスタイルが急変する可能性がある。今後、ほとんどの分野で学生らはレポートというものを自分の頭と手で書く必要がなくなるからだ。特に学校教育の場で多い「〜について述べよ」といった、テーマが既に設定され、特定の領域を扱うレポートやエッセイの作成は生成AIの独壇場になる。

便利な世の中になったもんだねえ〜

そして若者たちがますます自分の頭を使わなくなる時代が進む。

こうなると狐と狸の化かし合いではないが、どんなレポート課題を設定するかがカギとなる。

こうしたブログもキーワードさえ指示すれば、対話型生成AIが勝手に僕の代わりに書いてくれるようになるんだろう。