2024年3月23日

35年ぶりのバンコク

シンガポールからバンコクは、飛行機で2時間20分。羽田から那覇へ飛ぶより早い。

シンガポールは暑かったが、バンコクはもっと暑く、湿度も高い感じである。昔の感じで街を歩き回ると確実に疲弊する。そんなとき、否応なく歳を感じる。

20代、アジアを旅していたときは疲れなんか感じる暇はなかったけどね。朝から日が暮れるまで街中を歩き続け、一日3リットルの汗をかき、4リットルのビールを体に流し込む。そんなことを連日続けていた。

バンコクだけど、35年経って街が大きく変わったかというと、確かにニュキニョキと高層ビルが市内の方々に建てられたが、王宮を中心とするチャオプラヤ川周辺地域は時間の割にはあまり変わってないように思う。

アクセサリーなど細工物を売っている無数の路上店舗も時間が止まっているかのようだ。

王宮

王宮内で見つけたヒゲの友だち

途中、歩き疲れてワット・マハータート(Wat Mahathat)という「格式の高さはバンコク随一」とガイドブックに書かれた寺院の前で入ろうかどうか思案していたら、その前にたむろしているトゥクトゥクの運転手から、どこから来たんだと声をかけられた。

ワット・マハータートは、ドレスコードが厳しい

暑さで疲れ、真面目に答えるのが嫌な気分だったので、どこから来たと思うか、と返したら一瞬押し黙ったあと、 "Germany?" と言ったよ。

俺のどこがドイツ人なんだ。"No" と返し、もう一度どこから来たと思う? と相手に聞いたら、隣のトゥクトゥクの運転手と何か相談したあと、"Nepal?"。

近づいて来たな、と少しだけ面白くなり "No" と返したら、今度は "Greece?" と言ってきたよ。また遠くに行ったじゃないか。 

彼らは何十年も毎日何十人という客に「お前はどこから来た?」と聞いているのに、何にも分かっていないみたいだといささか呆れてそのまま立ち去ったが、後で考えてみれば、彼らにしてみれは相手がどこの国出身であろうとそんなこと関係ないのだ。

彼らは国際交流をしたいわけじゃないんだから。ただ客引きのために話かけているだけなのだから、ドイツもネパールもギリシャも同じなんだろう。