自民党青年局が、同党近畿ブロック会議とやらの会合の後の懇親会で、女性ダンサーたちを余興に招いた。その余興の「趣味の良さ」はまずは置いておくとして、そのダンサーらに青年局の議員らが口移しでチップを渡したことについて書く。
事の発端は、そこにいた他のメンバーがそれをインスタに公開し、世の中が知ることになった。そして、その場にいた青年局の局長と局長代理が責任を感じて役職を辞任した。局長代理は群馬出身で、あの中曽根康弘から続く三世議員だ。
それにしてもよくやるな、というのが正直な感想。そうした行為を行った議員は元より、その場にいた連中は、自分たちが見ている行動が恥ずかしいとは思わなかったのだろうか。
恥ずかしいと言えば、当の議員らは当然のことながら、それらの国会議員を選挙で選んだ有権者はどう思っているのだろう。普通だったら、恥ずかしくて穴があったら入りたいような思いに駆られるはずだが。
なぜそうした議員たちが選ばれ続けるのか、不思議でならない。そうした不埒な国会議員は当然だが、そうした人物を自分たちの代表として選挙で選ぶ側にも問題がある。
議員たちに票を投じた選挙民は、自分がその議員の後援会の会員でもない限り、自分がそのとき誰に投票したかよく覚えていないんじゃないか。覚えていないから、こうした不祥事を目にしても自分は恥ずかしいと感じないし、別の選挙の時には投票所で誰にしようかと悩んだあげく、そうした議員にまた1票を投じるのかもしれない。
そうしたことを防ぐための1つの方策として、我々選挙民が自分が誰にいつ投票したかをちゃんと覚えておくことが必要だと思う。
レコーディング・ダイエットを参考にすればいいかもしれない。レコーディング・ダイエットは、ダイエットを目的とする方法の1つだが、やる事は日々の体重を記録しておくことだけ。ダイエットと言うと、どういった料理をどんなふうに食べるかとか、カロリーをどう減らすかとか、そうした具体的な手法に行ってしまうが、レコーディング・ダイエットはただ自分の体重を日々記録し、それを「意識」しておくようにすることだけである。
その潜在意識が自然とその人の行動、つまりそこでは食事の内容やその仕方を変えていき、結果としてダイエットにつながる。
それになぞらえば、私の提案は<レコーディング・エレクション>とでも言おうか。選挙に行った時は、必ず手帳や日記等に自分が投票した候補者の名前と所属政党を書き記しておく。そのことでそれが記憶に残る。
もし今回のようなことで、自分が投票した議員の名前を目にしたりすることがあれば、それらの議員を選んだ国民は自らの選択を反省し、次は異なった投票行動を取るはずである。そうしたことが、本来選ばれるべき良き候補者を議会に送ることにつながっていくのだ。
それはそうと、同党青年局長の川畑議員さんとやら、女性ダンサーを招いた理由を「多様性の重要性を問題提起しようと思った」と釈明したとか。また、そうした余興を「新感覚のおもてなし」と考えた、と述べたという。
ノータリンの軽薄さもついにここまで来たか、という印象である。