海が見えてきた。キングストンを出て2時間弱ほど走ったところで、バスはいったん休憩で止まった。そこはオチョ・リオスという町。カリブ海に面した港町で、ボブ・マーリーが生まれたころである。その後、バスはカリブ海沿いの幹線道路(A1号線)を西へ。
午後1時過ぎにモンテゴ・ベイのバス停に到着。迎えをホテルに頼むのを忘れてたことをバスの中で思い出したが、こうしたところではそうした心配は無用。バスを降りるや何人かのタクシーの運ちゃんが寄ってきて、タクシーが必要か、俺のに乗っていけ、とうるさく付きまとい、3人ほどの運ちゃんが右に左に手を引っ張る。
一番まともそうな(に見えた)運ちゃんと料金の交渉をする。その間も客を取られた他の運ちゃんが、「そいつはインチキ野郎だから気を付けろ」とか「俺の方が親切だからこっちへ来い」と大声で呼びかけてくる。目の前の運ちゃんは僕と料金交渉をしながら、そうした相手に「やかましい、うせろ」と叫び返す。