今回の沖縄県知事選で、古謝玄太候補が玉城デニー候補を大差で破って当選をきめた。選挙結果は民意の表れととるしかないが、大丈夫だろうか。
というのは、当選を決めた古謝が主張した「10年で(沖縄)県民所得を2倍にする」という公約の実現可能性を危ぶんでいるからだ。
10年目に一気に2倍(つまり成長率100%)になるなどあり得ないので、毎年成長を続けて複利でプラス100%になると仮定すると、そのために必要な成長率は年7.2%。
沖縄が、県知事が変わったことで毎年その成長率を続けられるかというと、ビッグ・クエスチョンだ。沖縄の過去10年の平均経済成長率は1%以下である。
他県を見ても、1950〜70年代の、いわゆる戦後高度経済成長期の時期に10年で所得を2倍に伸ばした都道府県はいくつかあるが、それ以降はどこもない。
では、古謝はどうやってそうした経済成長を沖縄で実現するのか。不可能である。
彼はいくつか施策を挙げていたがありきたりのものばかりで、しかもそれらによる個々の定量的な成長目標などまったくない。これではまったくのデタラメとの誹りを受けても仕方ない。
画餅とは、まさにこういうことを言う。 だが今回、沖縄県民は古謝をより支持した。
公約が実現可能なものかどうか、それは数字を少し吟味すれば判ることだが、そんな理屈とは異なる住民としての「気分」の面で、県民は足下の経済的閉塞感に耐えられない状況にあった、ということなのか。
そうしたものが今回の投票行為の元にあるとしたら、そこに沖縄県が現在抱えている最大の問題があるように思う。
