2021-08-02

「私はこれが好き!」と「どの絵が売れてるんですか?」の違いが生むもの

ある会社が自由ヶ丘で画廊を開いていたときのこと。

場所柄、観光客を含む外国人も多く店を訪れていたらしいのだけど、そうした外国人客と日本人客では絵を選ぶ際の行動がずいぶん違っていたという。
たくさんの絵がお店にありますので、「自分の好きな絵を見つけてください」と言ったときに、外国の方は、すぐに「私はこれが好き!」と選ぶのですが、意外と日本人は見つけられず、「どの絵が売れてるんですか?」と聞く人が多い。これはひとつに自分の中に自分の好きな美の基準がない。アートのようなものは、絶対的な基準があるわけではなく、自分の好き嫌いでいいと言えばいいと思うのですが、おそらく教育の違いなのかもしれませんが、そういう経験がなく「この絵が自分はいい!」と言い切れる人が少ないのかもしれないなということでした。
大学の教室で学生に対して何かを問うたとき、まっすぐな視線で自分の意見をさっと言える学生がとても少ないことにすっかり慣れていた僕は、これを読んではっとした。
 
日本の学生は、周りはどう反応するか、他の学生はどう考えるかをまず知ろうとする。それを察して、自分とさほど違わないということが分かってまず安堵する。 人が先に言ったことに追従してなら意見が出てくる。
 
それと比較すると、留学生らはもっとはっきりものを言う。他人のことなどほとんど気にしない。だから発言の内容自体は別としても、彼らのそうしたすっきりした姿勢に僕は好感を持つ。

こうした状況では、世界を引っ張るような斬新なビジネスモデルやサービスが、これからこの国で生まれてくることはないんだろうなと、ふと思う。