2012年11月22日

ボブ・ディランのコンサート

今年9月にオープンしたブルックリンのBarclays Centerで、ボブ・ディランとマーク・ノップラーのコンサートがあった。この巨大な建物は、コンサート仕様で1万9千人を収容できる。中は、日本武道館をある一方向に引き伸ばしたような感じである。

開演前の館内の様子。


コンサートは当初午後8時開演の予定だったのだけど、一週間ほど前に7時半に変更になったという連絡がメールと電話であった。

マーク・ノップラーの演奏で幕が開き、休憩を挟んでボブ・ディランのコンサートに。その間、ディランが観客に話をしたのは、エンディング間近にバンド・メンバーの紹介をした時だけ。それ以外は、何も話さなかった。何曲かステージ中央で歌った以外は、上手側のピアノに向かったまま淡々と歌い続けた。

肉眼では米粒ほどの大きさのディランの顔を、オペラグラスで眺めていた。これほど広い会場だと、多くのコンサートはステージの両脇か上にスクリーンを設置して、ステージ上の手持ちカメラが捉えたアーティストのアップ映像を映し出すのだが、そうした趣向はなし。ディランなら、「俺はミック(ジャガー)とは違う」と言うのかもしれない。

コンサートが終了したのは午後11時過ぎ。帰宅した時には、日付けが変わっていた。

それにしても、ロックミュージシャンは息が長い。ボブ・ディランは71歳である。ニール・ヤングとピート・タウンゼントは67歳、スティーブン・タイラーは64歳、そしてミック・ジャガーは69歳でキース・リチャーズも12月で69歳になる。いずれも老いてますます、ではないが、ロックの精神をそのままに、年輪を重ねた他に真似のできない味を醸し出していることに敬服。