2012年11月4日

市長のリーダーシップについて

こちらに来てから気になっていたのだが、米国人は(他の地域はよく知らないからニューヨーカーは、という方が正確だが)有事の際には心を一つにして協力しあうことが自然にできているように思う。

ハリケーン・サンディ後の状況に関しては、頻繁に市長のブルームバーグが自らメディアに登場して、直接現場から話しかけている。手にした原稿を読むだけといったどこかの国の役人とは、まったく違うリーダーシップと説得力を感じさせる。それを支える優れたスタッフもたくさんいるのだろう。

彼は、現状がどのように回復されているか説明をした後には、必ずそれに携わっている関係者、例えばニューヨーク交通局や電力会社、警察、消防、病院、防衛関係、各種ボランティアへの最大限の謝辞を忘れない。

そうしたことが、市民の行政担当者への信頼と尊敬の気持ちを醸成しているように感じる。そして、市民から信頼されていると実感できているからこそ、職員たちは骨身を惜しまず仕事に携わる。日本ではとっくに失われてしまった、幸せな関係である。

日本でも最近は女性や若い人が市の首長に就くことが増えているが、彼らが何か新しい政策を打ち出すたび、年配の(つまり年寄りの)市議会議長やその周りの連中が「聞いていない」とか言って反対することが多い。

その街に長年住み、長く議員をやっているだけで(だから既得権で固まっている)、自分がエライと思っているようなそうした連中を選挙で選んだ市民は、もっと情報を集め、よく考えた方がよい。