コロンバスサークルで開催中の「Discovering Columbus」のイベントを観てきた。
チケットを手に、入場の列に並んだ時はまだ空は明るかったのが、寒風の中で45分ほど待たされている間に、すっかり日が暮れてしまった。
しつらえられた「リビングルーム」は、美術館であるようで、また普通の居間のようでもあり。訪れた観客はその中間的な空間の居心地の中でソファに横たわり、コロンブス像と記念写真を撮り、しばらく時間を過ごした後、「地上」に降りていく。
Tatzu Nishi(西野達)がどういうきっかけでこうしたアートを考えついたのか分からないが、「物を観る視点を変える」ことの見事な具象化であり、その成功した一般性に感心させられる。
このコロンブス像は、地上21メートルの高さにあり、普段はそれをしたから見上げるしかない。でも今回、そのコロンブスと同じリビングルームで過ごせるわけだ。
ということで、至近距離でコロンブスさんのお顔をじっくり、ゆっくり拝見したわけだが、僕にはなにも感慨のようなものが沸いてこなかった。
アメリカ人にとっては、彼はアメリカ大陸を「発見」した大英雄なんだろう。が、見方を変えれば、発見される前からそこにあった土地を、後にアメリカン・ネイティブとか、その前はインディアンと名付けた人たちから力で奪うことになったきっかけを作った人物である。
どこが偉いのか。僕には、奇妙な帽子をかぶったいけ好かない野郎にしか見えなかったけど。
東の方角を向いて建つコロンブス像 |
地上20メートルほどのところにある「コロンブスのリビングルーム」 |