2026-07-21

サッカー・ワールドカップが終わった

39日間に及ぶサッカー・ワールドカップが終了した。

前回のパリ五輪は全32競技(329種目)が19日間にわたって行われたことを考えると、サッカー1競技でこれだけの日数を要したのはなぜなんだろうと思うが、商売とすればゲーム数が多く、日数が長ければ長いほど儲けが上がるわけで、そこにFIFAの意図が現れているように思える。

今回の大会は日本チームの活躍も含め、ゲーム自体は見ていて面白く、実にワクワクさせられたが、その一方、フィールド以外の部分で考えさせられることが多かった。

その1つがアメリカ・チームがボスニア・ヘルツェゴビナ・チームと戦った際に審判から出されたレッドカードの扱いだ。アメリカチームの選手がレッドカードを受けて次の試合に参加できなかったはずのところが、トランプ大統領がFIFA会長のインファンティーノに直接電話してその決定を変更させた件である。

この行為については、既に多方面の関係者やファンからも様々な声が上がっているので、ここでは触れないが1つ気になるのは、そうしたトランプの行為とFIFA側の対応についてのアメリカ国民の反応だ。

YouGov/Economistが、2026年7月10日から13日に実施した全米調査によれば、「トランプ大統領がFIFA会長に電話をかけ、バログンの試合出場停止処分の撤回を求めたことを指示するか」と言う問いに対して、支持する米国人が21%いた。

「大統領が自国のチームを支持するのは当然だ」と言う考え方がベースにあるとされているが、これには首をかしげざるを得ない。

スポーツはスポーツであり、戦争とかではない。

そうした基本すらわきまえていない米国人が5人のうち1人いると言うから、実に驚きである。

ただしこれを政党別に見るとかなり違いが現れていて面白い。YouGovのクロス集計では、共和党支持者では賛成が多数派である一方、民主党支持者ではその圧倒的多数が反対の意を示している。

従って、FOXなどでの「大統領が自国選手を守るのは当然」と言う意見は、アメリカ市民全体の考えを反映したものではなく、共和党及びトランプ支持者らの意向を反映したものであることがわかる。

今回の件、アメリカではサッカーファンほどトランプの行動とFIFAの決定について批判的だったらしい。そして一方で、アメリカの一般国民は「よくわからない」と答えた層が多かった。

サッカーを日常的に見ている、いわゆるファン層では政治介入はスポーツの公平性を損なうとか、アメリカ代表の評価まで傷つけたといった意見が非常に目立っていた。

つまりこれらを総合的に考えてみると、サッカーについて詳しく知るわけでもない共和党・トランプ支持者らが歪んだ単純すぎる愛国心によってトランプがやったことを支持し、スポーツにおいても、とにかくアメリカが勝ちさえすればそれでよいと考えていると云うことが分かる。

こうした傾向は日本も同様で、ものごとを深く考えることなく、表層的な印象でしか判断することしかしない特定層が社会を蝕んでいっている姿が思い起こされる。やれやれ。