2022年11月11日

広告会社の経営者の発想はとても単純だ

広告業界世界最大手のWPP(英国)が日本での事業規模を向こう5年間で3倍にすると発表した。

同グループCEOのマーク・リードによれば「日本の消費者がデジタルに費やす時間は世界に比べて短い」とか。具体的には、「日本人の週あたりのネット利用時間は22時間38分、米国の46時間14分の半分以下」だそうだ。

だから、今後の日本の事業拡大を期待できると考えているのだろうが、このデータって本当だろうか? 週22時間38分なら、一日平均で3時間14分。そんなに普通の日本人がインターネットをやってるのだろうか。 米国人が平均一日6時間36分というのも信じられない。

いずれにせよ、国民のネット利用時間が長くなれば広告業のビジネスチャンスが拡大するというのは、今ではあまりにも発想が単純すぎる。

(追記)
国民生活時間調査(2020年度)の結果によれば、下図のように日本人のインターネット(+動画)利用時間は約1時間である。10代後半、20代が2時間を越えて他の世代に比べて長いが、それでも全体的にはテレビの視聴時間がいまだ圧倒的なのがわかる。