2021年7月12日

「欲しがりません勝つまでは」

今日、東京都に緊急事態宣言が発令された。

といっても、文字通りの緊急性を感じる人は少ないように見受ける。

だってそれはそうだろう。「緊急」事態宣言が出されるのが決まったのは、先週の木曜日のこと。あらかじめ 4日も前もって決められた政策を「緊急」と呼ぶのが奇妙だ。

だから都民が緊急性を感じないのは当然のこと。政府や役人らは、自分たちが「緊急」と名付けたのだからこれは緊急なんだよ、分かってんのかお前らは、と思っているんだろうけどそれは無理ってもんだ。

今日から40日間あまり、飲食店は酒の提供ができない。その間、閉店することになった店は多い。今回もだが、なぜアルコールの提供が目の敵になるのか。

テレビのニュースに映る居酒屋の店主や酒店の社長などが「こんなやり方、どう考えてもおかしい。理不尽だよ。だけど我慢するしかない」と怒りを押し込めて語る。

先の戦時中に大政翼賛会が国民の間に広めた「欲しがりません勝つまでは」という標語を思い起こす。もちろん、僕自身はそのときはいなかったけど。

みんな不条理な我慢を強いられ、自由を謳歌できるその日を夢見て自分を殺し、人間性も普通の常識も曲げて、ただひたすら非人間的な日常を生きていた。

僕には今がそれと同じように見える。将来はよくなるはずと期待して不条理な我慢を重ねたあげく、われわれ国民を待ち受けていたのは敗戦後の別な不条理な毎日だった。

今の僕らを待ち受けているのも、同じように思えてならない。