2021年7月26日

339面体の東京オリンピック

この時期、ニュースのトップにオリンピックのメダリストが登場する。柔道、水泳、体操、スケートボードなど、日本選手が表彰台に立ったシーンとメダルを獲得した競技シーンが紹介される。

確かにいいもんだ。なんだか日本がメダル獲得のトップを行っているかのような気にさえなる。

だがリモコンでチャンネルをCNNに変えると、アメリカの選手が競泳や射撃、フェンシングでメダルを取ったシーンが紹介されるし、BBCでは高飛び込み、競泳、マウンテンバイクでメダルを獲得した英国の選手の活躍が紹介されている。

それらの国の人たちも、そうした自国選手の活躍を紹介する番組を見て興奮し、喜んでいるのだろう。

今回のオリンピックの競技は39、種目は339で、どちらもこれまでで最大だ。339の種目で金、銀、銅のメダルを獲得する選手がいる。つまり、1,017のメダリスト(チームを含む)が生まれる。

どこに焦点を当てて見るか、見せられるかでこのイベントの見え方はまったく異なってくる。もちろん日本、米国、英国だけではない。たとえば、中国は中国選手の活躍にフォーカスを当てた番組とその活躍の見せ方をしっかり工夫して国威高揚に余念がないはず。フランスも、ドイツも、国を問わずどこもかもがそうだろう。

これがオリンピックが各種の国際的な選手権とは違うところだ。339あるどの面に目を向けるか、それによってオリンピックというものの映り方がどうにでもなる、実に便利な装置だといえる。

もちろん、この秋に衆院解散・総選挙を控える現政権にとってもだ。