昨日の夕刊の文化面に、作詞家の喜多條忠が「横丁の風呂屋」を書いていた。
1973年、彼が26歳の時に詞を書いた「神田川」とその頃の彼自身の話だ。「神田川」は、彼が早稲田をやめ(除籍になり)、放送作家をやっていた時に「南こうせつとかぐや姫」のために書いた曲。「♪小さな石鹸 カタカタ鳴った」など四畳半フォークと言われたジャンルの代表曲である。
僕は早稲田大学入学時から2年間、大学のすぐ近くの下宿に住んでいた。だから、早稲田界隈にある銭湯はほとんど知っている。
学生時代から、この曲を聴く度に舞台になったのはどこの銭湯か、少し気になっていた。今回の記事にその曲作りのもとになった銭湯の写真が載っていた。
ああ、安兵衛湯だ。早稲田通りの一本裏手の通りから少し入ったところ。大きな立派な煙突のある銭湯だった。
すでになくなってしまったが、いまも大学からの帰り道、そばを通るとふとその銭湯があった場所に目を向けることがある。
昔からつっかえてた謎から解放されたような気分だ。