2026-02-20

金目当ての間違った行動が拡がらなければいいが

茨城県は2022年から2024年の3年連続で不法就労者数が全国で最多だった。

だからどうした、と思うのだが、行政の長はそう考えないらしい。県知事はそれを不名誉と考えたのだろう。そしてその不名誉の座を返上するための対策として、不法就労の外国人に関する情報を市民から募ることで積極的な摘発につなげることを決めた。

その目的で4月に創設するのが通報者に賞金を与える「通報報奨金制度」であり、担当部署である県の外国人適正雇用推進室の職員によると、既に制度のスキームはほぼでき上がっているという。

予算が絡むことなので、議会の承認はどうなっているのか訊ねたら、今月下旬か来月あたまの議会にかけ、そのまま通ると考えているとの回答。そのとき口にはしなかったが、なるほど茨城県は自民王国だからな、と思ってしまった。

摘発された外国人労働者は、国外退去を国から命じられるかもしれない。それについてどう思うのか訊くと、少し言葉をためらった後、自分たちは通報をもとに不法労働者かどうか確認し、その後警察に身柄を渡すだけだと。

この制度、通報者に金が支払われる点が気になる。つい先日の衆院選でも、内容の正否やイデオロギーにまったく関係なく、ただ広告費目当てのアクセス数稼ぎのための切り取り動画が世の中に蔓延したことを思い出す。

小遣い稼ぎでそうしたことを平気でやる連中は、今度は外国人と見れば、彼らがどのような人物なのか確認もせず、報奨金目当てで通報するかもしれない。

またそうでなくてもこのような制度ができることで、人々は自分の周りにいる外国人に対して彼らをひょっとしたら不法就労者ではないかという目で見るようになり、日本人と外国の人たちとの間の亀裂がさらに大きくなっていくことが危惧される。

茨城県内の不法就労者は農業分野を中心にした労働者が多いという。その根本のところが何なのかを考え、問題を解決することの方が重要なのではないか。

不法就労者を雇用している農業分野の雇用主たちは、ただ安い労働力が使えるという理由でそうした外国人を雇ってるのかもしれないが、一方で農業を営んでいく上での働き手そのものが逼迫し、彼らで埋めなければ立ち行かなくなっている現状があるのかもしれない。

その場合、農業分野に従事する不法就労者と呼ばれる労働者をただそこから排除するのが適正な措置なのかどうか疑問がある。

そもそも不法就労に従事する外国人は、入国管理局によって入管難民法違反とされ退去強制手続き等が取られた人たちである。だから、まともに働こうにも働けないのだ。糊口を凌ぐためにはそれが不法と知りながらも、働ける口があるならばそれに頼るしかなくなる。

茨城県の大井川知事による今回の決定は、昨今の移民排斥に向かう政治の流れに乗ったものだろうが、本来は人権の問題も含め、これから日本がどうやって国内にいる外国の人たちと関係を築いていくのかを考えることが先のように思われてならない。