2012年12月30日

米国Newsweekが廃刊

雑誌のニューズウィークが、今週号(2012年12月31日号)を最後に米国での紙媒体での発行を停止することになった。今後はネットだけでの発行になる。


79年の歴史を持つ、言わずとしれた米国の有力雑誌である。広告収入の減少に歯止めがかからなかったのが主要な理由とされている。時代の趨勢だろう。

昨年の春に米国に来て驚いたことの一つは、雑誌の定期購読料が驚くほど安いということ。例えば、New Yorker誌は店頭で一冊6ドル99セントするのが、年間定期購読だと一冊あたり1ドル49セントだ。ニューズウィークのライバル誌であるタイムに至っては、一冊あたり59セントである。

書店やキオスクへの流通マージンがかからないとはいえ、こうした価格ではほとんど利益はでないはずで、広告収入のための部数確保が最優先されている。しかし、人は雑誌の値段が安くなったからと云って、もともと興味がないものを読もうとはしない(価格弾力性が低い)。しかも、日本のように電車通勤者が多くない土地柄である。この国ではテレビのチャンネルも訳がわからないほど多い。当然いまはネットでもニュースやコメンタリーを探して読める。

ところで、日本版ニューズウィークはまだ健在のようだ。
http://www.newsweekjapan.jp/

Newsweekの現在のロゴマークは2011年に新しくなっている。しかし、最終号の表紙に写真に写っているビルに取り付けられたロゴはそれ以前のものだ。写真が新しいものだとしたら、同社はサインを作り直す金にも事欠いていたということだろうか。

5年後、この国のどれだけの新聞と雑誌が店頭で売られ続けているか、興味深いところである。(個人的には、紙とネットとそれぞれの利点があるので、両方あってほしい)