大学を退職してひと月になるが、今もって大学関係のいろんなメールが届く。先日、ある教授から今度大学の総長選に出馬することにしたので応援よろしく、というメールがきた。
なぜ退職した僕にまでメールしてくるのかと訝しく思ったが、メールを読んで思わず頭を捻ってしまったのは、彼が総長選へ出馬することにした理由として、前総長からそのことを強く薦められたからと書いていたからだ。
前総長だった人物がその職を退任したのは2018年、つまり現総長が就任した8年前のこと。企業でも前社長や前会長が退任後も院政を敷き、自分の息のかかった人物を組織のトップに据えたがるというのがあるが、さすがに退任して8年たって意気軒昂に影響力を示そうとするのは珍しい。ふつうはね。
18歳か19歳で大学に入学し、卒業後はそのまま修士課程に進学して指導教授の覚えよければ博士課程に留まり、そのレールに乗ったまま助手→専任講師→助教授(准教授)→教授と年月と共に昇任してきたという人が大学にはいる。
大学以外の組織の経験がなく、しかも自分が卒業した大学のみで50年以上を過ごしてきているのはかなりいびつで特殊な生き方だが、さらにその大学を退職してなお、そこから離れられない不思議な人間の姿が浮かぶ。