2012年12月7日

秋学期のコンサル授業終了

今期、コロンビア・ビジネススクールでコンサルティング関連の講義をふたつ覗かせてもらっていたが、今日ですべて終了した。それぞれ、McKinsey & Company と Booz & Companyの出身者が担当する授業だ。

マッキンゼー出身の講師は、MITで数学を専攻して修士号と博士号の学位を取っているインド人。配布資料を見ても、思考がすごく緻密で論理性が高いことが分かる。インド人独特の英語のなまりが強く、話していることが時々分からないのが難だった。

もう一人は南米の出身。ブーズのNY事務所でシニアVPを勤めていたが、リタイアしようと思っていた頃コロンビアから誘われてビジネススクールに来た(米国の企業では、石を投げればVPに当たる。VPは日本企業で云えば課長あたりのレベル。日本人が思っているところの上級管理職は、頭にシニアかエグゼクティブが付くVP以上である)。

若い頃、ウォートン(ペンシルベニア大)でDoctor candidate まで進んだが、事情があって実務界に就職したと言っていたから、もともとアカデミックな世界に興味があったのだろう。新興市場参入のための市場分析の際に、マクロ経済的な指標を用いた高度な分析手法を採用していたのも頷ける。最終講義が終わった日、彼と食事を一緒しながら彼の奥さんが日本語ができることをなにげなく話された時はびっくりした。

コロンビアでは、コンサルティング会社は投資銀行とならんで学生の人気就職希望先で、コンサル関連の授業には多くの学生が集まる。大学もそのあたりのことをよく分かっていて、コンサルティングの実例を学生に講義できる講師を客員として招き、学生のニーズに応えている。開講講座は、学生と世の中にニーズに合わせて柔軟に変更される。

一方、大学の正規教員はコア(必修)科目を体系立てて教えることが求められている。それと当然ながら、彼らには研究の義務がある。正規教員と客員教員で、役割が合理的に分担されている。