2025-05-13

AIでもう十分

家族に持たせていたauのケータイがなくなった。紛失した時の状況から考えて回収は不能。新機を買うことにした。料金プランを継続するためには4Gのガラケーしか選択肢はなかったが、それで十分だと考えた。 

近くのauショップに行ったら、ネットで購入した方が2万円以上安いと言われ、それではとウェブで検索し手続きをしようとしたのだが、契約者である私が既にKDDIのユーザーではないことでネットで手続きが完了できない。

そこで、オンラインショップのスタッフの個別対応を申し込む。パソコン上に表示された一番早い空き時間でさえ2日後だった。スタッフ不足なのか。しかたなくその時間枠を予約し、当日は送付されてきたアクセス先URLで接続。

そこからその会社とのやり取りが始まったのだが、いやはや散々な目に遭った。KDDI指定のネット回線は途切れ途切れで(そもそも通信会社がなぜ顧客とのやり取りにわざわざネット回線を利用するのか分からない)、会話は埒があかない。

こちらの問いへの回答が一貫しておらず、突っこむとその場しのぎのテキトー 回答を寄こして逃げを打つ。挙げ句の果て、対応方法が分からないのか「今回のケースの場合、auショップ店頭でのお手続きとなります」とのたまった(別の担当者に替わってもらったら、オンラインで契約できた)。

いま思い出すだけでも腹が立つので思い出したくもないくらいだ。時間を浪費させられただけのそうした対応の相手をさせられ、つくづく考えさせられた。

詳細は措くが、それらの背景にある根本原因は主に3つ。まず、顧客対応プロセスの基本的設計がまずい。それに関連し、オペレーターの知識や技能が決定的に不足している。苦し紛れの誤案内が続く。そして組織内の連携というものがないうえに、他箇所にたらい回ししたがる無責任体質。

考えられる対応策はまず2つ。経営者の中にしっかりしたCCEO(Chief Customer Experience Office 最高顧客経験責任者)をおくこと。そしてやる気のないオペレーターに代わって顧客対応をまかなうAIを導入することである。

パソコン画面右下にしばしば出てくるオモチャのようなチャットボットでは駄目だが、ちゃんとした生成AIなら問題ない。AIに顧客の相手をさせた方が、顧客の立場からしてはるかに望ましい。

手続きの対応だから、決まっていることをその範囲で正確にやってくれればいい。記憶と計算ができればよいのだ。オペレーターの人間としての特性や裁量など必要なく、すべてアルゴリズムで処理できてしまう。しかも24時間利用可能なので、2日先の予約といったことも不要になる。

企業は人を採用する必要がなければ、教育することも勤怠管理もなんにも必要ない。経験的価値の提供が求められるような一部の分野を除いて、電話オペレーターによる顧客対応がじきに世の中からなくなっていくことは間違いないだろう。