2022年3月20日

東の果てと西の果て

昨日、言葉や概念の日本語化について書いたが、それに関連して日本の文化の特徴としてしばしばその雑種性があげられる。

そうしたものの理由のひとつとしては、日本という国の置かれた地理的な特徴が指摘され、その後外国から極東と呼ばれた日本には大陸から朝鮮半島などを経由して種々の文化や考えがやって来て、入り交じり、日本化して留まったとされている。

そこで必要とされたのが、外国の言葉やその概念を適切に日本語に置き換える作業である。

日本が大陸の東の果てなら、アイスランドは西のどん詰まりである。地図を見ると英国とノルウェーから約1500キロほど、ヨーロッパ大陸の西に位置している。もともとノルウェー人の入植からできた国で、その後ノルウェー、デンマークによる統治を経て1944年に完全に独立した。

だがいまもクルマや家電製品、食品、本などをはじめ多くの品がヨーロッパから入ってきている。そして、物と一緒に文化や言葉も当然入って来る。

しかし、アイスランドの人たちは自国の言葉とそれに繋がる文化を守るために、他国の用語、すなわち外来語をそのまま使わず、それを母語であるアイスランド語に置き換えてきた。

たとえばアイスランド語でテレビのことは sjonvarp(ショウンバルプ)と書くらしいが、これは視覚を表すsjonと投げることを表すvarpを組み合わせた造語である。もともとのtele(遠く)+ vision(見る)からテレビジョンが作られたのと似てる。携帯電話は、移動を意味するfarと電話を表すsimi で farsimi (ファルシミ)というらしい。こうした発想は素晴らしい。

アイスランドは人口36万人たらずの人口小国ということもあるのだろうが、社会階層が極めてフラットな国。

また高度に民主化された国で、女性の社会での活動率も高い。文学や詩に親しむ人が多いといわれ、一人当たりの書籍の発行部数が多い。ものを考える習慣を持つ人が多いのだろう。

アイスランドは6年前の9月に一度訪れたことがある。ぜひまた訪ねたい国だ。https://tatsukimura.blogspot.com/search/label/アイスランド

レイキャビックの目抜き通りで見つけた書店(1〜3階)

店内のカフェ

僕も3階のカウンターでしばし読書を