裏の鶴見川沿いの土手を散歩してたら、ご近所のSさんに会った。今日は天気がよくて、風が気持ちいい。Sさんとは久しぶりで、立ち止まり挨拶をかわした。
その僕たちの横を、マスクを着けた20代のランナーが駆け抜けていった。
それを横目で見て、Sさんが「あれ、苦しそうですね」と言った。吹きさらしの土手の上をマスクをきちんとつけて息を切らせてジョギングしている、いま走りすぎた男性のことだ。
その通りである。僕が「ここでマスクなんかしなくてもいいのにね」と笑うと、Sさんの足下に立っていた小学2年生のヒロシ君が、「そんなの考えればわかるじゃん」と呟いた。
そうなんだよ、ヒロシ君。でもね、ヒロシ君よりたくさんのことを知っているはずの大人たちが、ヒロシ君にも簡単に分かることが分からなくなっている。
年齢じゃない、知識の量でもない、考え方なんだ。これを「シコーテイシ」って言うんだよ、ヒロシ君。