先週の日曜日(27日)に放送されたばかりのNHK「調査報告 女性たちの貧困 〜”新たな連鎖”の衝撃〜」が、昨晩24:40からもう再放送されていた。それだけ初回放送後の反応が大きかったのだろう。
僕は日曜日の放送分を見たのだけど、番組で紹介されている女性がまだ夜も明けきらぬ早朝からコンビニで働いていたのを覚えている。都会では比較的年配の女性のパートの働き口はスーパーのレジ係で、若い女性の働き口はコンビニがまかなっているように見える。
コンビニで深夜や早朝帯に働いている人たちに出会うと、彼女たちは昼間はどうしているのかと(まったくお節介ながら)気になる。
学校に通っているのならともかく(疲れてしんどいだろうが)、夜から早朝までコンビニでずっと働き、そのあと自分の部屋に帰って昼間は寝ているだけという子もたくさんいるのではないかと想像する。
逆説的ながら、コンビニのアルバイトがあるからそうした彼女たちの生活が存在しているとも云える。深夜だからこそ比較的割のいい時給で働くことができ、そのため生活を昼夜逆転させ、学校に行ったり友達と遊んだり、という当たり前の昼間の暮らしを捨てて過ごす日々。
そうしたアルバイトでスキルを磨くことができないことくらい気がついているだろうし、いつまでもそうした生活を続けられないことも分かっているに違いない。でも、やめるわけにいかない状況だ。
僕が好きなシンガーソングライターの一人、トレーシー・チャップマンのアルバム『Tracy Chapman』のなかに「Fast Car」という曲があった。当時23歳だった黒人女性歌手の彼女が歌うその歌詞には「コンビニエンス・ストア」という言葉が出てくる。
酒浸りの父親を捨てて母親が家を出て行き、残った彼女はいたたまれない思いを抱えたまま父親の面倒を見るために学校をやめた。そしてコンビニのレジでアルバイトを続け家計を支えながらも、八方ふさがりの暮らしから逃げ出したいと思っている。そんな彼女の願望をボーイフレンドが手に入れたクルマに託して歌っている。
トレーシー・チャップマンの歌は、こんな詞で終わっている。
You got a fast car
Is it fast enough so you can fly away?
You gotta make a decision
Leave tonight or live and die this way
この歌が発表されたのは1988年だから、いまから26年前のこと。その後、アメリカはどうなったのだろう。毎日コンビニで働くだけで行き場を失った彼女はどうなったのだろう。アル中の父親や差別が深く残る土地を捨てて彼のクルマで遠くに行ったのだろうか。それとも・・・。
そして、いま日本でコンビニでしか働けない若い女性たちは、これからどこへ向かうのだろうか。