2025-09-27

モグリを追い出し、ますます管理が進む大学に未来は作れるか

新学期が始まるのに際して研究科の事務所から「授業実施に向けたご案内」と称する文書が送られて来た(実際のところは、パスワード保護された大学サイトのページを送ってきた)。

その中に聴講禁止の項目があった。曰く「大学全体のルールとして、履修登録をせずに授業に参加すること(聴講)は禁止されております」。

これまでも聴講の学生を認めちゃダメよと言われてきたが、それはビジネススクールというちょっと他の学部や研究科と違う性格があるからだと思っていたが、大学全体のルールだったとはね。

自分が大学生の頃はニセ学生なんてのは珍しくなかった。自身も友人に誘われ、他学部や他大学の授業にモグリで参加したことも多々あった。

同様に他の大学の学生が早稲田の授業にモグリで参加していたのだから、行ったり来たりでまったく自由なものだった。

それが、いつからか大学全体のルールとして禁止されていたとはーー。その理由は何だろう。そうした学生が教室に存在することで授業の妨げになるのなら別だが、一般的にモグリで授業に参加している学生は一般の学生以上に真剣に取り組んでいるので、むしろ歓迎のはずだと思うのだけど。

推測するに、教師側の理由ではなく(もしそうであれば、それらの学生を教室から追い出せばいいだけ)、正規の履修学生が大学側に苦情を言ったからじゃないかという気がする。

「自分たちは授業料を払っているのに、非正規の学生はそれを払っていないのは不公平だ」とか何とか。

それに対して大学当局が反応して、個々の実状などにお構いなしにモグリ(聴講)を不可にした、というのが実際の話のような気がする。

だけど、もしそうだったらどうなんだろう・・・。大学は本来のところ、もっと大らかでいい加減でいいんじゃないのか。

知りたい、学びたい、議論したいという学生が方々から集まり、同じ時間を共有することで刺激が生まれ、互いに影響を与えながら新たな知と関係が生まれてくるというものだ。

いろんな類の学生が教室にいた方が、絶対的にオモシロイはず。新しい発想を生む活力は、本当はそうしたところからしか生まれないんだけどね。

知の創造の場として日本の大学が弱体化している一要因だ。