2025-09-21

企業がやりたいこと、顧客がやりたくないこと

関西のある地を訪ねることになったのだが、そこは地方ゆえ現地の交通機関がままならない。移動のための足としてレンタルバイクの店があるのを知り、予約することにした。

サイトで日にちと利用時間を入れて予約しようとするとクレジット・カード情報の入力を求められる。先払いらしい。気が進まなかったが、そのとおりカード情報を送ったら、支払い完了と予約完了のメールが来た。

翌日、その会社からメールが来て、指定のURLサイトから運転免許証の画像を送付せよと言ってきた。その事前手続きをしない場合は、レンタルバイクの利用ができないと書いてある。

そうした条件を設けているのであれば、客に利用料を支払わせる前にそのことを案内すべきだ。免許証の画像を、信頼に足らない企業に渡すのも気が引ける。

放っておいたら、同様の内容のメールがまた来た。またしてもnoreplyのメールアドレスから送ってきている。

記されているURLを試しにクリックすると、いきなり会員登録のページが現れた! まず、名前などの個人情報を記入させて自社サービスの「会員」にしたいらしい。こっちは現地でその日に数時間レンタルで使うだけなのだが。

こうした顧客対応の手法は、まったく的外れであると思う。こんな不愉快なやり方で客に会員登録させたって、その企業に対しての満足感もロイヤルティも感じるわけがない。むしろ逆なのは明らか。

この会社だけの特殊な例ではないが、自分たちが顧客に対して行っていることをなぜもう少し冷静に見られないのか。 

免許証の写真送付に関して、その企業にPマーク認証は取得しているのか問うたら、「何ですか、それは?」と訊かれてしまった。 

また、顧客の感情をまったく無視した、お粗末な顧客管理システムを売っているIT屋がいるのだろうが、結局、何も価値を創造していない。