関西の複数の大学人がそろって「万博会場の大屋根(リング)をできるだけ多く保存すべきだ」とする意見書を万博協会、大阪府、大阪市に提出した。
提出したのは大阪大学、近畿大学、大阪公立大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学という関西の主だった大学の総長ないし学長、あるいは理事長である。
理由は、リング(大屋根)は万博のレガシーであり極めて貴重な文化的・歴史的な価値があるからと言っているが、よく分からない。
あの建造物の文化的な価値とは何なのか? 具体的に何がどう文化的なのかまったく不明だ。まして、歴史的な価値があるかどうかなど、なぜ分かるのか。ぼくには理解がむずかしい。
彼ら関西の大学人によると、解体すると「文化的損失として後生に大きな禍根を残す」らしいが、何が彼らをしてそう言わせているのだろう。
7つの大学のトップが揃っていきなり「意見書」を提出するという重々しさはどう考えてもヘン。裏には何があるのかナ。
岡本太郎による<太陽の塔>は残してくれてよかったと思っている。あれは、ただの建造物ではなく、 確実にあの時代(高度成長期の60〜70年代)の日本の空気を今に残すモニュメントになっているから。
しかし、いま開催中の万博の大屋根と言われている建造物はどうか? 太陽の塔とはまったく意味が異なっていると思う。
それにしても、ある種の人たちは何かというと「レガシー」という言葉を振り回したがるみたいだ。そうした人たちに共通するのは、どうもアタマの中味がすでにレガシー(時代遅れ)だということやな。