文部科学省は、私立大学の再編を目的に100校に対して「経営指導」を強化するという。現時点で対象としていたのは42校だった。
文科省が設置した「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」とやらが提案したプランはこうだ。不思議でしょうがないのは、文科省が大学に対して指導・助言を与えて、改善しない場合は大学を罰する(大学の規模縮小や撤退)という発想だ。
どうも自分たちが行う指導・助言は絶対的に「正しい」ものであるという前提でいるようだが、なぜそう思えるのか。逆に、上図内の「3〜5年間かけて指導・助言」の中身が現実離れしたトンチンカンなものだったために(そちらの方が大いにあり得る)状況のさらなる悪化を招いた、という場合はいったい誰が責任をとるのか。
これは、十分に考えられること。文科省の官僚は単なる役人で、大学での教育の専門家でも研究の専門家でもないのだ。
農林水産省の役人は、漁師にむかって上手な漁の仕方を指南したりはしないだろう。林業従事者に植林の仕方を教えたりしないし、農家に田んぼの耕し方を助言したりしない。自分たちは政策の立案・実施が仕事であって、現場のスペシャリストでないことを知っているから。
だが文科省の役人は、自分たちを教育の専門家だと思って平気で口だしする。そうした勘違いはどこから来るのだろう。たまたま自分たちが学校で勉強ができたという経験からか。それとも天下り先の確保か。