「あなたが強い不満を感じたサービス経験にはどういったことがありますか? 具体的な経験を教えてください」
というアンケートを行った。
回答者のなかでもっとも多かったサービスは病院(11%)だった。治療や検査の中身についてのコメントはなく、「予約を取っていたにもかかわらず待たされた」「後から来た人が先に診察を受けた」といった待合室での順番待ちに関することがほとんど。医療機関が患者(顧客)満足度を上げるポイントの一つはここにありそうだ。
次に多かったのは小売り(9%)、続いて飲食店(8%)。どちらも提供物(商品や品揃え、出された料理)についての不満のコメントはなく、レジスタッフの対応や店内での接客態度に強い不満感を示している。
続いて銀行(7%)。こちらも窓口での接客対応(長時間待たされる)や最近多くの銀行が始めた予約システムへ強い不満が出ている。宅配業者を挙げたのは6%。配達された時間が指定したのと違っていた、置き場所が指定の場所と異なっていた、など。
携帯通信業者は5%。料金プランとショップでの接客に関しての不満。JRも5%。駅内のスタッフの応対態度に関するものとみどりの窓口の縮小が指摘されている。
病院、小売り、飲食店、宅配業者、携帯通信業者は顧客接点でのサービス提供内容が標準化されていない点で問題が発生している。銀行とJRはそれに加えて、企業側の一方的なサービス提供の変更が一部の顧客に受け入れられていないことを示している。
顧客の意識や行動は、企業が思っている以上に変化は緩やかである。企業側が狙った単純なコストカットや効率化は、彼らが予想している以上のハレーションを顧客に起こしているようだ。