今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した2人の教授が、所属するペンシルバニア大学で記者会見に出席した。カタリン・カリコとドリュー・ワイスマンである。
共同研究を行った2人が出会ったのは、コピー機の順番待ちで並んでいた列のこと。そこで立ち話をしたことがきっかけとなり、2人がお互いの協力者として研究ができることを見つけたという。今から30年程前のはなし。それから一緒に研究を積み重ねてきた。
なぜ研究を進められたかを訊かれて、カリコは隣のワイスマンを見て「We enjoyed it」と答えた。楽しむこと、研究をすることを幸せと思うことが大切だと強調した。
研究者や研究者を志す人は、みんなが見て欲しい記者会見の映像である。
ただ、彼女の「廊下にもっとコピー機を置いたらどうだろう」という提案については、実際はコピー機が足らず、そのために2人が列で順番を待っていたから話がすすんだわけで、そうした「不便さ」が彼らの大きな発見につながった。
だから、コピー機の台数を増やしてスピードアップして待つ必要がなくなったら逆にダメだよ、と一言突っこみたくなったけどね。なんにしても、とにかくいい話をきかせてもらった。