2022年1月1日

元日の新聞一面から

1月1日の各紙一面トップ記事をさらった。

朝日・・・「未来予想図 ともに歩もう」

毎日・・・「露、ヤフコメ改ざん転載 政府系メディアが工作か」

読売・・・「 米高速炉計画 日本参加へ」

東京・・・「「脱原発」叫び強くなれ」

日経・・・「資本主義 作り直す」

朝日、東京、日経は連載特集の初回記事だ。朝日は「未来のデザイン」、東京は「声を上げて デモのあとさき」、日経は「成長の未来図」というシリーズが始まる。

原発に関連した記事を東京新聞と読売新聞が取り上げているが、論調はきわめて対照的だ。読売は、高速炉計画への参加について、その難しさを指摘しながらも必要性を訴えようとしている。一方、東京新聞の一面は、直接原発に関した内容の記事ではないが、フリーの写真家を取り上げるなかで「脱原発」の意味を読者に語っている。 両社のスタンスがよく分かる。

特に元日だからと気張ったところがないのが毎日だ。ロシアの政府系メディアが日本の雑誌、ニュースサイトの読者コメントを改ざんして転載していることを指摘している。今回、そうした改ざんを毎日新聞が確認したものだけでも「週刊朝日」「ニューズウィーク日本版」「ヤフーニュース」がある。ロシアの主たる目的は、日米分断をあおることだと分析されている。

勝手に記事を書き換えたり、原文に書かれていないコメントを自分たちの情報操作を目的に勝手に付け加えていることが明らかにされた。ロシアのこうした情報操作はソ連時代からのもので、第二次大戦前から世界的に巧妙に行われていて、いわばお家芸なんだろう。

人のいい日本人たちは、これまでこうした旧ソ連やロシアによる情報操作と不正な手口でどれほど不利益を被ってきたことか。毎日新聞はいい仕事をしている。

その一方でノー天気としか思えないのが、朝日新聞だ。12月に横浜アリーナで行われたDREAMS COME TRUEのコンサートを引き合いに、ともに手を携えて未来に進もう、とのご託宣だが、まるで朝日中学生新聞かと思った。

元日の新聞一面は、各紙、自分たちの姿勢を読者に表明する場としてそれなりに時間をかけて考えられているはず。いまそれらの新聞各紙が何を考えているか、何に依っているかを知る手だけになる。