2021年1月9日

アメリカは、ひとつ乗り越えたが

米国は正常軌道に戻り始めた。

この4年間のアメリカが抱えてきた最大の危機は、地球温暖化でもBLMでも中国でもなかったと思っている。それは何か。トランプだ。

大統領自体が国家の最大のリスクをなっていた米国という国は、実に複雑で興味深い国家だと言える。

それが突然、大きく転換し始めた。ツイッター社が今日、トランプのアカウントを永遠に使用禁止にしたことが、象徴でもある。

今月20日に予定されているバイデン次期大統領の領就任式に向けての連邦議会議事堂への攻撃、暴力的仲介を示唆したトランプのツイートがその理由とされている。

ツイッター社の経営者はその反社会的メッセージの危険性にやっと注意を向け、トランプをツイッターの利用者から追放するという意思決定をした。

昨日、トランプ支持者が議事堂へ乱入し死者が出た事件で、共和党の議員の中からも現大統領と袂を分かつ連中が出てきた。

これまでの4年間、目をつぶっていた共和党の議員からもさすがにこれ以上は見て見ぬ振りはできなくなった。自分はそれを見ようとしなくても、支持者の目はそうはいかない。

今の世界の経済を引っ張っているのはやはりアメリカだ。トランプの間違った施策で世界最多のコロナ感染者と死者を出しながらも、他国に先がけて製薬会社が続けてワクチンを開発したのもアメリカだ。

この4年間、大統領がどれほどクソでも人々が知恵と力を合わせて世界のどこよりも早く変化を遂げ、新しい価値を創造してきた気概とダイナミズムがあの国にはある。 それは紛れもない事実だ。

翻って日本はどうだ。総理大臣のお粗末さ、多くの政治家の無定見さ、官僚のあさましさ。昭和の栄華を忘れられないジジイらが今も表舞台にいる不可解さ。僕たちは早くそうしたものに頼ることなく、自分で考え、自分たちで力を知恵を合わせて少しでもまともな社会を造っていくしかない。

武漢型肺炎に対応するための非常事態宣言が1都3県で発令されたが、ついこの前までGoToトラベルやGoToイートだとかに、膨大な税金を流し込んでいたのは誰だ。

国家的な戦略的視点を欠き、目先の既得権と利害関係で成り立っている政権の寒々しさを、先日来の大陸からの寒波ともに肌に感じる。