2021年1月27日

紙に戻る

先日横浜に出かけ、駅近くの百貨店と大型書店を回ってノートをいろいろ買ってきた。ネット以前の手書きに戻ってみようと思ったからだ。

パソコンを使わないわけではない。ただ、自分の考えをアウトプットする対象として、キーボードではなく筆記具がやはり自分のリズムに合っているように感じたのだ。(いまこうしてキーボードを叩きながらも)

筆記具は、この数ヶ月かけて自分の感触に馴染む万年筆とボールペン、シャープペンに鉛筆、その他の類をすべて揃えた。後は、それで文字や絵を記す紙だ。

大学の授業の準備や授業の際の記録を取るための紙は、これが1番と言うものはもう決まっている。それは、教場試験用に大学が作っている答案用紙である。実に完成度が高い。ほぼ紙としては僕が今までいろんなものを使ってきたなかでおそらく最良で最適なものだと思う。

マット調の適度な薄さの紙で、しかもコシがあり、なめらか。万年筆で書いても滲まず、インクがすぐに紙面に馴染む。裏写りもしない。ボールペンもよく走る。鉛筆で書いてもしっかりと文字が浮き出る。消しゴムで鉛筆で書いた文字もきれいに消せる。ホントに良くできている。加えて罫の太さがちょうどいいし、5行おきに行番号が振ってあるのも僕にとってはとても使いやすい。

しかし、そうしたバラバラの紙以外に、自分の考えを時系列で留めておくにはやはりノートという形式が優れている。そこで今回、自分にぴったりのノートを見つけるために、その試みとしてさまざまなノート手に入れてきたわけだ。

そういえば、リモートで大学の授業を始めて約1年になるが、学生たちは授業中にノートをとっているのかどうかという疑問が時折頭をかすめた。学生たちは思いのほか真面目に、僕が話してる時はこちらをじっと見据えて話を聞いてくれているのがわかる。しかしノートはどうしてるのだろうと。

大多数は話をよく聞いてはくれてはいるものの、それを書きとったり、自分が思いついたことをメモしている風には見えなかった。ひょっとしたら、顔はこちらに向けながらもブラインドタッチでキーボードを叩いていたのかもしれないけど。
 
まあノートを取らなくても頭の中の整理ができたり、覚えておくべきことを記憶できればそれはそれで問題はない。

ただ僕なんかは、その時思ったことをメモしておかないとすぐに忘れてしまうたちだし、それがもったいないと思うのでノートをとらないではいられないけどね。