2021年1月26日

トップが撤退判断できないのは、あの戦争時から変わっていない

今日現在、世界で新型コロナによる死亡者の数は213万人。昨日に比べ、8500人増だ。

もしこの調子で感染が治まることなく広がり死亡者が増えていくとすると、オリンピックが開催されるだろう半年後には世界での新型コロナによる死亡者は366万人に達する計算になる。

日本政府は依然として強気の姿勢を崩さず、今年の夏に五輪を開催すると言っている。前政権の頃から「五輪を人類がコロナに打ち勝った証しにする」と勇ましい(そして寝ぼけた)台詞を繰り返す。日本ではワクチン接種すらまだ始まっていないというのに。

日本だけではない。欧米の一部、中国やその他の国でワクチン接種が始まったといっても、それは世界196ヵ国の中の一部にすぎない。

政府は、政治や経済のために無理やりオリンピックをこのまま行おうとしている。宿泊業や交通輸送業だけ、どうしてもそれほど儲けさせたいのか。

元柔道選手でJOC理事の山口香さんが、東京オリンピックの開催は残念だけど難しいと述べていた。冷静で現実的な意見だと思う。

現状で無理やりにオリンピックを開催しても、いろんなところに大きなシワ寄せがくる。確かにオリンピックを目指してこれまで努力してきたトップアスリートの人達には開催中止は残念なことだ。しかし、一部のトップアスリートを最優先にして良いのかは、やは冷静に考えなくてはいけない。

スポーツは万人のものである。オリンピックを称えるがために、われわれの日常とともにあるスポーツそのものを無視して良いわけはない。

トップアスリートらには、オリンピックでなくても各種の世界選手権など活躍の機会はある。そもそもスポーツが何のためにあるのか。そもそもオリンピックがなんのためにあるのかを考えるよいタイミングではないか。

オリンピック競技を五輪という。五つの大陸、世界の全ての国から人々が集いスポーツを競う大会だからだ。今年の夏にもし無理やりオリンピックを開催したとしても五輪にはならないだろう。四輪、あるいは三輪大会に終わりそうだ。

これではそもそものオリンピックの精神に反しているよね。