2016年4月16日

市場規模とは

今朝の日経新聞に「『タラレバ娘』独身の女心」という記事が掲載されていた。そこでの主旨は、婚活とやらを断念する、あるいは積極的に諦める女性が増えているというもの。
 
霞ヶ関の官庁で働く32歳の女性や都内の会社員、35歳の遠藤さん(仮名)が紹介されていて、そこから一人で生きていく決心をしている女性が増えていると記事は紹介する。

その手の話がどこまで本当なのかは知らないが、ひとつ気になったのは「『街コン』サイトの運営サイトを手がけるリンクバルによると婚活市場は年3,000億円」という記述だ。婚活市場とは何なのか定義もなければ説明もない。リンクバルという会社がどうやって推定したのかも分からない。記事を書いた新聞記者は、こうした数字に疑問を抱かないのだろうか。

3,000億円の市場規模というと、例えば一昨年の国内の音楽産業の市場規模に匹敵する(オーディオ売上1,864億円、音楽ソフト677億円、有料音楽配信437億円、合計2,979億円)。本当にこれと同規模の市場があるのなら、簡単でもいいから内訳を示すべき。

記事を書いた日経新聞の記者は、一応その数字の出典元を示している。読者から何か言われたときは、3,000億円はそのリンクバル社によるデータであって、自分には詳細は分からないとする言い訳のためだろう。

まったく信頼性に欠けている。新聞記事は面白そうであればそれでいいというものではなかろう。