先週に引き続き、「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5)にNPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンの水野達男さんに来てもらった。
水野さんのかつての仕事、それは化学会社の社員として自社が開発した防虫蚊帳をアフリカの国々で売ること。事業部長として、生産計画を立て、原価のコントロールを行い、販路を拡大し、どう売上を伸ばすかをいつも考えていた。
積み上がった在庫の山と格闘しながらも、日々どう売って行こうかと思い悩む日が続いていたという。そんなとき、53歳の時のこと、突然腰が抜けてまったく動くことも何をすることもできなくなった。医者から言われ、40日間の休暇を取ることになって考えた。このままでいいのだろうかと。
アフリカでは今も毎年2億人がマラリアに感染し、50万人が亡くなっている。原因となるのは、ハマダラ蚊という蚊である。日中は動かない。夜になってからだけ活動を開始する蚊だ。だから、蚊帳がとても効率的な予防対策になる。その蚊帳の繊維には特殊な薬剤が染み込ませてあるためそれに触れた蚊を退治することができる。
しかし、アフリカの現地では、マラリアの原因が蚊であることをまだ知らない人たちがたくさんいる。蚊が多く発生するのは、雨の季節。だから、雨がたくさん降ったらマラリアになると信じていたり、その季節には植物が盛んに生い茂ることから、パパイヤをたくさん食べたらマラリアになると信じている人たちもまだたくさんいる。そうした人たちにどうやって蚊帳を使ってもらうか。
水野さんは横になっていた40日間にいろんなことを考えた。頭に浮かんできたのは、セネガルの病院での一コマ。1歳半の子どもをマラリアで亡くした母親が、悲しみにうちひしがれている姿。そうした現状をなんとかしたいと考え始めた。
そしていまは、マラリア・ノーモアという世界的なNPO組織の日本代表として忙しく活躍されている。彼がアフリカで知り、学んだモットーが「焦らず、諦めず、放っておかない」という考え。その精神で、水野さんは今日も頑張っている。
番組中で流したのは、CCRの「雨を見たかい」。