2015年6月13日

がんばれ、夕張再生市長

今朝の「木村達也 ビジネスの森」のゲストは、『夕張再生市長』(講談社)を出版された北海道夕張市の鈴木直道市長。


夕張市は、今から9年前の2006年に353億円もの負債を抱えて財政破綻をした。その町はかつて炭鉱で栄え、人口は12万人近くがいた。今はそれが1万人を割り、しかも高齢化比率が日本で最も高い場所になっている。

石炭から石油への流れ。さらに海外からの安い石炭との競争に敗れ、夕張はゆっくり、だが確実に廃れていった。かつて24年間の長きにわたる長期政権を握っていた市長のもとで市制は硬直化し、しかも第三セクター方式による不透明で杜撰な開発と投資が続いた。

そこへ東京都からの派遣職員として赴いたのが、鈴木さんが26歳の時。2年間の勤務を終えた彼に、夕張市の市民たちは今後の市の将来を託したのである。

土地とはまったく関係のない青年に町の再生を託した市民もギリギリの決断をしたに違いないが、それを受けとめ、東京都の職員を辞して夕張市長の選挙に立った彼の決意もヒリヒリするようなチャレンジだったに違いない。

2011年4月、当時30歳で、全国最年少として市長に就任した。その時の市長選の投票率は、83パーセントだった。

スタジオでお会いした鈴木さんは、涼しげな紅顔の美青年である。いつもそうらしいが、今回も1人での夕張からの上京だ。

乞われて市長になったとはいえ、市民が大きな痛みをともなう政策を実施に移すのは、大変なこと。何度も市民への説明の場でつるし上げのような場を経験したと聞いた。始終落ち着いた受け答えは、そうした決して容易ではない経験の積み重ねから身につけたのだろうか。


今朝の一曲は、先月亡くなったB. B. キングさんの「上を向いて歩こう」。彼の2011年のアルバム、"Dear Japan" から。彼の東日本大震災後の復興への願いが込められている。