2022年3月21日

僕の写真は国外に行っているらしい

部屋の片付けをしていたら、昔撮影した35ミリのネガフィルムが大量に出てきた。

撮影日や撮影場所が分かるようにきちんと整理してあれば良いのだが、ほとんどにはそうした記録はメモしていない。

ポジフィルムならまだしも、ネガフィルムとなれば肉眼で目を凝らしても誰が写っているのか、どこが写っているのか分からないものがほとんどだ。

どうせたいしたものではないのだろうが、こうしたものは捨ててしまうと当然ながら二度と手に入らない。と思い、データで残すことにした。

ネットで探すと、フジフィルムがネガフィルムをスキャンしてデータ化するサービスをやっているのが分かった。早速、そのサイト上で申し込む。

数日後、フィルム送付用の専用パッケージが送られて来た。取りあえず10本分を入れてフジフィルムに送ったのだが、3週間ほどたっても戻って来ない。

大丈夫かなと、少し心配になり電話で確認したところ、フィルムをスキャンしてデジタル化する作業は国外でやっていることが分かった。どこの国に僕のフィルムを送ったのかは何度たずねても教えてくれなかった。国外へ送っているため、作業に時間がかかるらしい。

以前、LINEが利用者データを中国のサーバーで管理していて問題になった件が記憶に新しいが、こうした実体のあるネガフィルムを海外へ輸送し、また送り返させているとは思いもしなかった。

運送コストに加えて、情報流出のリスクも当然高まるはずだが、そうまでしてでも国外の業者にやらせた方が安価にあがるということだろう。

我々が簡単に海外に行けないあいだに、僕の写真は海外に渡り、デジタル化され、DVDに記録されて手元に戻ってくる予定だ。支払いは、DVDを受け取る時に宅配業者に支払うようになっている。デジタル化された僕の写真は、どことも分からない国のサーバーに記録されたままで。

それって、あまりいい気分じゃないね。

2022年3月20日

東の果てと西の果て

昨日、言葉や概念の日本語化について書いたが、それに関連して日本の文化の特徴としてしばしばその雑種性があげられる。

そうしたものの理由のひとつとしては、日本という国の置かれた地理的な特徴が指摘され、その後外国から極東と呼ばれた日本には大陸から朝鮮半島などを経由して種々の文化や考えがやって来て、入り交じり、日本化して留まったとされている。

そこで必要とされたのが、外国の言葉やその概念を適切に日本語に置き換える作業である。

日本が大陸の東の果てなら、アイスランドは西のどん詰まりである。地図を見ると英国とノルウェーから約1500キロほど、ヨーロッパ大陸の西に位置している。もともとノルウェー人の入植からできた国で、その後ノルウェー、デンマークによる統治を経て1944年に完全に独立した。

だがいまもクルマや家電製品、食品、本などをはじめ多くの品がヨーロッパから入ってきている。そして、物と一緒に文化や言葉も当然入って来る。

しかし、アイスランドの人たちは自国の言葉とそれに繋がる文化を守るために、他国の用語、すなわち外来語をそのまま使わず、それを母語であるアイスランド語に置き換えてきた。

たとえばアイスランド語でテレビのことは sjonvarp(ショウンバルプ)と書くらしいが、これは視覚を表すsjonと投げることを表すvarpを組み合わせた造語である。もともとのtele(遠く)+ vision(見る)からテレビジョンが作られたのと似てる。携帯電話は、移動を意味するfarと電話を表すsimi で farsimi (ファルシミ)というらしい。こうした発想は素晴らしい。

アイスランドは人口36万人たらずの人口小国ということもあるのだろうが、社会階層が極めてフラットな国。

また高度に民主化された国で、女性の社会での活動率も高い。文学や詩に親しむ人が多いといわれ、一人当たりの書籍の発行部数が多い。ものを考える習慣を持つ人が多いのだろう。

アイスランドは6年前の9月に一度訪れたことがある。ぜひまた訪ねたい国だ。https://tatsukimura.blogspot.com/search/label/アイスランド

レイキャビックの目抜き通りで見つけた書店(1〜3階)

店内のカフェ

僕も3階のカウンターでしばし読書を

2022年3月19日

「ウェルビーング」は「フルヘッヘンド」しているか

今からおよそ250年もの昔、杉田玄白らはオランダ語が分からず、また辞書もないなかでオランダ語で書かれた人体解剖書である『ターヘル・アナトミア』を苦心して翻訳し『解体新書』を作った。というのは、みんな学校で習った。

それは大変な翻訳作業だったはずで、「フルヘッヘンド」というひとつの言葉をいかにして訳したかという逸話が『蘭学事始』にある。次のような話だ。

「鼻は顔の中でフルヘッヘンドしたもの」という文章があったが、その「フルヘッヘンド」の意味が分からない。ある本に「木の枝を切り取るとそのあとがフルヘッヘンドとなる」、また「庭をそうじするとごみが集まりフルヘッヘンドする」という表現を見つける。玄白らは考え続け、ふと思いつく。それは「うず高くなる」ということではないのかと。そして「鼻は顔の中でうず高くなっているもの」と訳すことができた。

考え続け、工夫し、読み手のことを考えて<言葉>に向かった玄白ら先人はほんとに偉かった。

江戸時代の杉田玄白らだけでなく、明治時代以降も日本人は頭を使い、工夫して多くの外来語を日本語に置き換えてきた。たとえばphilosophyを哲学に、scienceを科学に、cultureには文化と漢字を当てた。その他にも自由(freedom)、権利(right)、社会(society)、経済学(economics)、資本主義(capitalism)、共産主義(communism)、法律(law)、革命(revolution)なども日本で作られた日本漢語だ。

漢字で表記されたそれらの「新しい」言葉と概念の多くは中国に逆輸入された。中国の国名である中華人民共和国の「人民(people)」と「共和国(republic)」のどちらも日本人が作った言葉である。

なぜこんなトリビア的なことを記しているかというと、近頃の妙なカタカナ語が気になったから。たとえば、気取ったビジネスマンや三流コンサルがよく使う「パーパス」や「リスキリング」など。

最近では「ウェルビーング」というのもある。もとは英語のwell-being だ。日本語で言えよ、と言いたくなる。辞書には日本語の用語候補が載っているんだから。江戸時代の「フルヘッヘンド」よりよっぽど簡明だろう。

そうした連中が「ウェルビーング」と表現したがる理由は、その方が何となく新しい考え方のように響いて、そのため聞いた(読んだ)人がありがたがってくれるし、意味を明示的に定めない方が何とでも言えて金になりそうと考えているから。
 
well-beingをウェルビーングと表現するのは間違いではないが、考えることを放棄しているようで、とても恥ずかしい。

でまた、そうしたものを「素直に」受け入れてしまういい年した大人(企業経営者)がいるから困ったものだ。

思わせぶりなだけで、何も伝わってこない信託銀行の新聞広告

2022年3月16日

卒業おめでとう

 近所にある小学校の裏門(プール脇)風景。愉しい。


2022年3月15日

Wake-up Call

それは月曜日の夜の生番組の最中だったらしい。ロシアの国営テレビ・第一チャンネルで番組放映中に制作スタッフ(編集担当者)が番組内に当然「登場」した。

カメラの前で話をしている女性キャスターの後ろに、NO WARと大書、そしてロシア語で「戦争を止めろ。プロパガンダを信じないで。彼らはあなたに嘘をついている」と書いたA全ほどの用紙を広げて現れた。


視聴者は驚いただろうな。が、上記写真で手前に座ってニュースを読んでいる女性は驚いている風でないところを見ると、あらかじめ打合せ済みだったのかもしれない。

ただこれは、現在のロシアの状況下では命がけの行為である。

幸いにこの映像は世界中で拡散され、彼女がこの行動をとる以前に準備していた映像メッセージの公開もあり、注目度は世界中で一気に加速した。

警察が彼女を逮捕したものの、世界中の声を気にして軽微な罪状で(取りあえずは)済ませた。今後、彼女がロシア当局の手によってどう扱われるかが心配だ。

この、まさに目の覚めるような一発は、ロシアの、そして世界中のメディア関係者への超強力なウェイクアップ・コールになった。

2022年3月13日

2022年3月12日

「廃炉」幻想を我々は許せるか

東日本大震災以後、長年に渡って東京電力福島第一原発を取材している記者による『「廃炉」という幻想』からは、東京電力と政府がいう「30年で廃炉」が完全に幻想、いや我々を騙すウソだということがよく分かる。


著者は10年以上にわたり、福島第一の現状を多面的に取材し続け、報道してきた記者だ。

この本を読んで、つくづく東京電力と日本政府の欺瞞に腹が立ったし、被災地の人たちにいっそう思いを馳せないではいられなくなった。

いまテレビをつけると、ロシアからの攻撃を受け、ウクライナから難民としてポーランドなど他国に逃れている老人や女性、子どもたちの姿を目にするが、福島の人たちも自分たちが暮らしていた土地を自分の意思とは別に離れなければならなくなったのは同様で、決して人ごとではない。

国と東電は、30年以内に廃炉を「完了」すると言っているが、「使用済み燃料」の取り出しへの着手だけでも少なくとも10年遅れている(2027年か2028年の予定)。彼らが公表した工程表が画餅にすぎないことが分かる。

燃料の溶解(メルトダウン)によってできた高濃度放射性物質である「デブリ」の取り出しについては、まったく見通しがついていない。さらに、もしデブリの取り出しができたとしてもだ、今の状況ではデブリやその他発生する膨大な量の放射性廃棄物を安全に保管できる場所はない。

「放射能汚染水」の処理で出てくる高レベルの放射性汚染物(スラリー、スラッジと呼ばれている)をどう処分するかという問題にも解答はない。増え続けるそれら放射能のゴミは、ヒックと呼ぶタンクに入れられて保管されている。その数は、現在で約3000基。

そこでもたいへんなことが起ころうとしている。容器底部の密度が上がり、線量が高まり、2年後には限界を迎えて容器の破損が起こる危険性が指摘されている。中身が中身だけに、新しい容器に入れかえればそれで済むという代物ではない。極めて高い放射線からどうやって作業員を守るのか、東電は説明できていない。

つまり、現在のどのような技術を屈指しようが、東京電力と政府がいっている「30年で廃炉」は不可能。原子力学会の専門家集団は、たとえデブリを取り出せたとしても、最低でも約100年、長ければ300年は処理にかかるとレポートで結論づけている。

「3・11」から我々はまだ11年である。これから世代をいくつも受け継ぎながら、日本は福島第一の処理を続けていかなければならないらしい。

膨大な時間と費用がかかるのはもちろん、それをおこなう現場の人たちが必要となる。それについて著者の吉野はこう書いている。

フクシマ第一原発に行ってみればわかることだが、廃炉の最前線で活躍しているのは、東京電力の社員というよりは、むしろ、「協力会社」と呼ばれている二次請け、三次請け、四次請けの会社の人たちである。

やはりそうなんだなあとの思いに、心底厭な気分になる。責任を取るべき東京電力の社員はリスクがある場には現れない。

東電のエスタブリッシュメントらが責任から目をそらし、ほお被りしている一方で、経済弱者がさまざまなリスクに晒されながら現場で命がけの作業をこれからも続けていくという構図は、そのまま日本の縮図である。

当然、現場で作業する二次請け、三次請け、四次請けの会社の人たちは好き好んで放射能を浴びながら日々作業をしているわけではない(東京電力→東芝エネルギーシステムズ→一次請け→二次請け→三次請け→四次請けと続く)。ひずみとゆがみでどうしようもなくねじ曲がった日本のあられもない一面だ。

2022年3月11日

ドイツには何があるのか

下図は、ユニセフ(実査はギャラップ)が21ヵ国を対象に「今後、子どもたちは今より豊かになるか、貧しくなるか」という質問調査をおこなった結果だ。

日本は、これらの21ヵ国のなかで「豊かになる」と答えた割合がもっとも少なく、そして「貧しくなる」がもっとも多かった。スペインが日本と極めて近い傾向を示している。

「豊かになる」の回答が少ないのは、その日本とスペイン、フランス、英国といった国々である一方、「豊かになる」と答えたのはインドネシア、エチオピア、バングラデッシュ、ナイジェリアなどの発展途上国。

そうした中で特徴的なのがドイツだ。先進国のなかで今後より豊かになると答えた人の割合が一番高く、日本の2倍ちかい。

ドイツ人がそれほど「楽観的」な国民性の人たちとは思えず、そう答えた理由に興味が沸く。

2022年3月10日

2022年3月9日

インドよ、お前もか

JR東日本の「えきねっと」を装う偽メールがこのところ頻繁に届く。文面やデザインを実際のサイトに巧妙に真似ているが、よく見るといろいろと変だ。

文中のリンク先URLのトップレベル・ドメインは、そのほとんどが .cn である。つまり中国のサイトである。

ところが最近、それらの中に .in のサイトに誘導するメールがあることに気がついた。.in はインドを示す国別コード。中国に便乗したインド人詐欺団か。

2022年3月8日

不良少年たちはどこへ行ったのか

久しぶりに新宿をぶらつく機会があった。新宿3丁目あたりから花園神社、ゴールデン街、歌舞伎町周辺を行き当たりばったりに歩く。

昔の猥雑さは薄れ、といっても僕が覚えている、そして期待している猥雑さは70年代、80年代のそれだから、そうしたものが残っているほうがおかしいのは自分でも分かっている。

ただ新宿をぶらついていてひとつ気になったのは、街から不良たちがいなくなったこと。そうした連中がいた方がいいというわけではないが、なんか街全体が消毒されてしまった感じである。彼らはどこへ行ったのか。

外ではマスクが普通のご時世では、マスク顔で通行人にガン飛ばしても様にならないし、くわえタバコで斜に構えて見せるわけにもいかず、みんな家の中でネットゲームといったところか。

2022年3月7日

プーチンも見ろ

CNNやBBCが映すウクライナの状況をライブで見ている。原子力発電所がロシア軍の手に落ちた。ウクライナから脱出してきた人たちの様子がポーランドからレポートされている。ゼレンスキー大統領が西側にさらなる軍事支援を求めている。

いったいこの戦争はどうなるのだろう。NATOが本格的に参戦すれば決着は着くのだろうが、戦域が自国に及ぶ可能性を懸念する為政者の判断で、なかなか踏み切れないでいる。一般市民が殺されているというのに。

明らかに違法な侵略行為が放置されている。国連も機能不全だ。このままウクライナはロシア軍に実効支配されて終わるのだろうか。

各国がロシアに対しての経済制裁を与えているなかで、中国は「話し合いが大切」と言って静観している。台湾へ侵攻する根拠付けができるのを期待している。 

気分を変えようと、友人に勧められた「ドント・ルック・アップ」を見た。最後(物語が始まって6ヵ月後)には地球に彗星が衝突して人類、いや生物がすべて滅亡してしまうブラック・コメディだ。このくらい毒が効いていると気持ちがいい。


いろんなボケがかまされていて笑った。メイル・スリープ演じるアメリカ大統領は、まるでトランプを戯画化している。その大統領の名前、オーリンズ(Orlean)は、土地全体が海面下で水没可能性が高いNew Orleansを示している。というわけで、地球滅亡につながる彗星は、気候変動のメタファーだろう。

ディカプリオが演じる天文学者が、人類への危機を訴えるために出演したテレビの人気番組はThe Daily rip(Rest In Peace?)だし、その番組の男性キャスターはマウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡が確認したという話を聞いて、「スバルは望遠鏡も作っているのか?」。自動車会社のスバルのことだと思っている。

彗星衝突が避けられないと察知すると、大統領と大富豪らは自分たちだけが搭乗できるロケットで地球を脱出する。

予測通りに彗星は地球に衝突し人類は滅亡してしまう。戦争なんかやってる場合ではないのだよ、プーチン。

2022年3月6日

主要5ヵ国の若者の意識調査から

成功を決定する最も重要な要因は何か? 

下記の図は、米国統計局が世界の若者を対象に調査した結果の一部(調査は世界20ヵ国で行われた)である。

調査対象者はそれぞれの国の15歳から24歳の若者だ。

日本の若者は、成功を決定するのは学歴や親の経済力、コネよりもハードワークが重要だと答えている点が他の4ヵ国と比較して特徴的だ。

対照的なのがドイツ。成功するためにもっとも重要なのはハードワークでも親の経済力やコネでもなく、学歴だとする比率がこれらのなかでずば抜けて高い。ドイツはそれほどまでに学歴社会なのか。

アメリカ、英国の若者は、ハードワークも重要だが、親の経済力やコネも重要だと答えている。学歴の重要性を示した値は、ドイツよりは低いが日本より高かった。

フランスは日本とドイツの若者の中間の位置づけである。

これらのなかで「本当だろうか?」といちばん首をひねったのが、他でもない日本の若者である。というのは、ハードワークが重要だと意識しているにしては、実際にそのように行動しているようには思えないから。

15〜19歳、20〜24歳の2群に分けた結果があれば、もう少し何か分かりそうだが。

2022年3月5日

プーチンには懲役150年

ロシアのプーチン大統領は、軍についての「偽情報」を広めた人には最長15年の懲役を科すことにした。

何が恐ろしいかって、偽情報かどうかを彼らが勝手に決めることだ。自分たちに都合が悪い報道や市民の声は、すべて「偽情報」で取り締まりの対象になり人びとは逮捕され、禁固刑に処される可能性がある。

他国への軍の侵攻に関してウソを塗り重ねているプーチンには法律は適用されないのかね。 

その法律の発効の結果、記者の安全のためにBBCやブルームバーグは取材活動を停止せざるを得なくなった。

ところで、そもそも日本の報道機関はどうしているのだろう。まったくロシアからのレポートを見ないが。モスクワに支社がないことはないはずだが、さっさと引き上げてしまってるということか。

2022年3月4日

マスクはパンツだ

水曜日のアメリカ大統領の一般教書演説を見ていたら、バイデン大統領だけでなくハリス副大統領、ペロシ下院議長もマスクをしていなかった。米国ではもう感染拡大はピークを過ぎて落ち着いてきているということだろうか。

日本ではいまだ、誰もがマスク顔だ。

高速道路のサービス・エリアで、そこのパーキングに入ってきたクルマのドライバーがマスクをしていた。車には同乗者はいないにもかかわらずだ。不思議だった。

友人と話をしていたら、彼女が早朝、家の前のゴミ収集場にゴミを出すときマスクをしていなかったら、通りがかりの近所の人たちに睨まれた、と言っていた。

感染拡大はみんなで協力して防がなくちゃいけないけど、これらはどちらもやり過ぎ。日本人が大得意の理屈を欠いた強迫観念に支配された人たちの例である。

そして今後コロナが収まっても、真面目な日本人はマスクをなかなか手放さない気がするのだ。その本来の必要性がなくなっても、日本人はマスクを続けているだろうと。

彼らにとってマスクは、パンツをはいているのと同じように、しているのが当たり前となっている。マスクを外すのは、メシを食うときだけ。風呂に入るときにだけパンツを脱ぐのと同様。

マスクもパンツも、どちらも脱ぐとすっきりするところも似ている😳

そしてマスクが顔の一部となり、人前で手放せなくなった日本人は、外国からジャパニーズ=ホモ・マスカス(マスクする人)と呼ばれるようになる!?

2022年3月3日

コロナだから哲学でも勉強しよう

というわけではないが、2年ほど前に同年代の有志で読書会を始めた。昨日の最終回の会合で取り上げた『ディスタンクシオン』は大部であるだけでなく、文章の難解さでたいそう難渋したが面白かった。

初回のスピノザを皮切りに、ニーチェ、パスカル、カミュ、マルクス・アウレリウス、プラトン、カント、ルソー、ハンナ・アーレント、オルテガ・イ・ガセット、ハヴェル、カイヨワ、マキアヴェリ、V.E. フランクル、レヴィ=ストロース、ブルデュー他を読んだことになる。
 
書かれた時代も場所も違うにもかかわらず、読書会を続けていくとこれらの著者の本が毎回、さまざまな形で繋がっていくから不思議だ。
 
  

2022年2月27日

独裁者の台所

プーチンがウクライナへ侵攻したと聞き、ふと谷川俊太郎さんの詩を思い出した。

私の核弾頭付ミサイルどこへ置いた?
と妻がきいた
冷蔵庫の上
と夫が答えた


2022年2月26日

その人の名刺を見てみたい

新聞の「会社人事」欄は、以前は結構よく見ていた方だと思う。企業で仕事をしていたとき、相手先の人事を知ることは必須だったから。

大学に移ったあとも新聞の会社人事欄で、学生時代の同級生や知り合いの動向を知ることが多く、飽きずに眺めていた。

そうした彼らもほとんど現役サラリーマンを終え、僕もその欄に目を走らせることはなくなっていた。

今日、たまたまその紙面を見るともなく眺めていると、こんな肩書きの役職者をふと見つけた。

代表取締役兼副社長執行役員グループ中国・北東アジア総代表兼パナソニックオペレーショナルエクセレンスパナソニックオペレーショナルエクセレンス中国・北東アジア社社長兼パナソニックチャイナ会長、〇間〇郎 

だって。本人も、どこで息継ぎしたらいいのか分かんないんじゃないの。

誰か、企業の役員の役職名の長さとその会社の業績の関係について研究してくれると面白いかも。

2022年2月24日

うちでコーヒーを飲みながら思い出したこと

先日、近くのスターバックスに行った際の出来事である。

次回の読書会で取り上げる本に目を通しておかなければと、上下巻合わせて1,000ページを超える2冊を抱えて店を訪れ、コーヒーを飲みながら活字を追っていた。

ページからふと顔をあげると、店のトイレの前に立っている若い女性が目に入った・・・・・・再び本に目を落とし、何章か読み終えたタイミングでまた顔をあげると、さっきと同じ女性が同じ場所に立っているのに気がついた。十代半ばと思われる、おとなしそうな女の子だ。

最初に僕が気づいてからでも20分は経っていて、よく見るとなんだかモジモジしている。早くトイレに入りたがっている風に見えた。

ちょっと気になり、お節介かとは思ったが彼女のところまで行ってどうしたのかと尋ねてみると、彼女は黙って扉のノブのところを指さした。「使用中」を示す赤い色が見えた。僕は、彼女が中にいる客が出てこないのをずっと待っているんだと思って、ドアをトントントントントントントンと軽く7回ノックした。

7回のノックは、中に誰かいるのを確認するためのノックではなく、早く出てきなさいと促すためのノックだ。すると、間もなく中から若い女性が出てきた。あれっ、店のスタッフじゃないか!

使用済みのペーパータオルが入ったゴミ袋を片手に出てきたその店員は、僕とその後ろにいた少女をちらりと見ただけで何も言わずにさっさとカウンターに入って行った。

女の子はトイレに入り、僕は自分の席に戻ったが、なんか変だなと思った。その店員がトイレのなかでペーパータオルの補充やトイレットペーパーの交換をしていただけではないことは状況から容易に想像がついたからだ。

真面目にトイレ前でモジモジしながら何十分も待っていた子がなんだか不憫で、店員が中で何をしていたのか確認するためにカウンターに向かったとき、その女と目が合った。彼女はすぐさま僕から視線をそらし、奥の部屋に駆け込んでいった。

「逃げられた」と思ったが、カウンターのなかに乗り込むわけにもいかず、仕方ないのでそこにいた2人のスタッフに彼女はなぜ突然奥に入っていったのか訊ねたら、その男女は黙ったままお互いの顔を見合わせて首をかしげるだけ。

帰宅後、スターバックス・ジャパン本社に電話を入れた。店での一部始終を話してやったが、本社担当者の反応は「あ、そうですか」で終わり。

スタバはずいぶんと変わったなと感じた一瞬だった。この会社、どうなっちゃったんだろう。

人魚もしっかりしろと言ってる